社会福祉施設で働きたい場合は、福祉人材センターで探す
福祉人材センターとは、主に社会人と卒業年度の学生を対象に、無料で福祉関係の仕事を相談、斡旋しているサービス機関で、各都道府県に必ず1ヶ所はある。
ここにある求人票を閲覧して希望にあった職種、勤務先があれば紹介してくれるし、ない場合でも求職登録をしておけば、定期的に求人情報を提供してくれる。
卒業年度以外の学生は求職登録はできないが、通信教育、夜間部の学生に限り、在学中の登録もできる。
また、どんな求人情報があるか閲覧したり、情報誌を請求することはできる。
質問や相談も受けてくれるので、有効に活用しよう。
福祉人材センターでは、下の表のような流れで就職先を探すことを提案している。
福祉人材センターで利用できるサービス

これを参照に、社会福祉施設で働く、ということを考えてみよう。
福祉のどういう仕事に就きたいか、内容を具体化させる
福祉という言葉が包括する現場は、老人福祉、児童福祉、知的障害者福祉、肢体不自由者福祉などのほかに、婦人福祉や生活保護など多岐に渡り、その数は今や60種類にものぼっている。
ひとくちに福祉施設といっても、目的も利用者もまさに千差万別。
したがって、そこの施設ではどういう職種が必要なのか、自分はどういう関係の施設で、どういう仕事がしたいのか、などをはっきりさせるのがキーポイントとなる。
施設の種類、仕事の内容、必要な資格などを調べる
利用対象者に関係なく施設のほとんどは、社会福祉法人などの公益法人が認可を受け、国や地方自治体などから補助金を受けて運営している。
施設が認可を受けるには、一定基準を満たした建物、決められた職員の配置が必要であるが、施設の特性によって必要とされる職種や職員の数が違っている。
次にあげるのは、対象者別の施設における代表的な職種である。
<老人福祉施設が必要とする主な職種>
生活指導員、寮母・寮父、介助員
<身体障害者更生援護施設が必要とする主な職種>
生活指導員、指導員、作業指導員、寮母・寮父、介助員
<知的障害者援護施設が必要とする主な職種>
生活指導員、作業指導員、介助員
<児童福祉施設が必要とする主な職種>
児童指導員、作業指導員、保育士、介助員
<保護施設>
指導員、寮母・寮父、介助員
以上の職種は代表的なものであって、細かいことをいえば栄養士、調理員、運転手、用務員、事務員なども施設運営には欠かせない職種である。
福祉人材センターで斡旋している職種は、今まで出てきた寮母・寮父、生活指導員、作業指導員、介助員、保育士、ホームヘルパー、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士、福祉活動専門員、看護師、栄養士、調理員、運転手、事務員、校務員など。
募集側は、転職者、無職の人への求職と、学生(卒業年次のみ)への求職ができる。
自分がどの職種を目的にするかを決めたら、その職種には資格が必要なのか、あるいは専門の学校を卒業している必要があるのか、年齢制限があるのかなどといった条件を調べよう(職種に対する資格は別のところで解説します)。
また、同じ職種でも勤務先となる施設の特性や対象者によって、仕事の内容や勤務形態などが大幅に違う。
特に生活のすべてを送る入所施設では、夜勤や宿直などの変則勤務もあれば、職員全員で介助の仕事をこなす場合もある。
こういったことも前提に、職種および施設の種類を選ぶべきだろう。
福祉人材センターで利用できるサービスの内容
| 就職斡旋 | 求人を行っている福祉施設を紹介する。求人票も自由に見ることができる。 希望の求人があったら窓口に申し出れば斡旋を行う。なお、就職斡旋のできる範囲は上の表のとおり。 |
| 相談 | (1)福祉施設・団体のパンフレットを自由に見ることができる。関心のある施設の事業内容のなりたち、略地図などの就職活動のデータ収集に便利だ。 (2)福祉系学校の入学案内パンフレットや資格取得のための学校一覧、施設 や職種に関する最新の図書資料が整備されている。 (3)福祉の仕事に関するビデオが整備されており、センター内で閲覧が可能。 |
| 相談 | 仕事の内容や資格、給与、その他福祉の仕事や就職に関するあらゆる相談に応じている。 |
| 情報誌 | 求人情報誌「求人情報ダイジェスト」を毎月発行している。 来所できない人 や学生には便利な資料だ。入手方法は電話で問い合わせること。 「求人情報ダイジェスト」は、センター内で公開している求人情報をまとめて 発行しているものなので、最新の求人情報は来所して調べること。 |
| その他の サービス | (1)福祉分野に就職するための説明会を開催している。 (2)合同相談会を開催している。 |
具体的な求人先を探す
前述したように、福祉施設が職員を募集する時は、(1)現在在職の職員が退職する、(2)新規開設や施設拡張のために職員を増やす、この2つの理由によるものがほとんどで、一般企業のように定期採用するところはきわめて少ない。
しかし逆にいえば、欠員があれば随時募集するので、福祉の仕事とは年間を通じて就職活動ができる仕事、ということにもなる。
福祉人材センターにも時期を問わず求人情報がきているが、やはり職員の退職は3月に、施設の新規開設は4月に集中するので、採用時期も4月が比較的多い。
具体的には、自分が希望する職種を募集している施設を求人票で探すのだが、その際、採用条件、年齢制限、待遇などのほかに、長く勤めるつもりならば、ぜひとも施設の運営方針や特徴を検討しておきたい。
盲点は通勤時問。
日中は十分通える距離でも、夜勤明けでは電車がない、あるいはトラブルが起こってもすぐに駆けつけられない、などといったことでは、はたして勤まるかどうか不安が残るだろう。
求人施設を研究する
区分的には同じ種類の施設であっても、運営方針や規模などの違いからそれぞれの施設ごとに特徴がある。
募集条件など明文化されていることは確かめやすいが、そこの施設が持つ独特の雰囲気やシステムは、やはり自分の足で調べたほうがいい。
具体的には施設へボランティアで訪問する、あるいは見学するなどだが、快く迎えてくれる施設は多い。
できるかぎり自分の目で現状をみておいたほうがいいだろう。
新しくこの仕事にチャレンジする人にとって、福祉の仕事とは考えている以上にハードである。
情熱だけでは長続きしない。
受け入れる施設側のことも考えると、十分に熟知してから採用試験を受けることを勧める。
採用試験を受ける
試験は面接だけ、あるいは簡単な作文、小論文というところがほとんどだが、それにとおっても実質的な実習期間を設けている施設が多い。
これはステップ4でも述べたように、施設にはそれぞれ独自の日常システムや雰囲気、特徴などがある。
採用者がそれになじめるかどうか、長続きできるかなどを実習期間内で見極めるためだ。
逆にいえば、採用された側にとっても、自分に合った仕事かどうか、この先やっていけるかどうか、などを考える期間でもある。
もしやっていける自信がないという場合には、遠慮なく申し出たほうがいいだろう。
そのほうが両者にとっても損害が少ない。
採用試験を受ける際の最低限のマナーとして、次の2点をあげておく。
(1)約束した面接を無断でキャンセルしない。
理由をはっきり述べれば、日時を変更してくれるかもしれない。
連絡もせずに無断欠席しては、社会人としての常識を疑われる。
(2)仕事内容や労働条件を検討せずに応募しない。
とにかく仕事ができればいい、資格がなくてもできる、などといった理由だけで福祉の仕事を志望しても、採用する施設側が面接すれば一目でわかってしまう。
気負い込む必要はないが、せめて仕事内容や条件など最低限の知識を把握してから試験にのぞもう。
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