身体障害者のための施設
身体障害者とひとくちにいっても、その障害の種類はさまざまであり、肢体不自由、視覚・聴覚障害、内部障害、重度障害などに分かれる。
身体障害者施設はこうした障害ごとにつくられ、治療・リハビリテーションなどを行うことを目的とした施設、社会復帰のための施設、文化活動やレクリエーションのための施設などに分類される。
さらに点字図書館など、障害者の情幸馴文集のための施設も今後の増加が望まれる。
身体障害者更生施設
身体障害者更生施設とは、ある特定の施設の名称をさすものではなく、先天性の疾患や事故、疾病などによって身体に障害を持った人に対して、更生に必要な治療や指導、さらには各種のリハビリテーションを行っている施設の総称である。
更生という言葉は、社会的自立とほぼ同じ意味にあたる。
障害者が自分の障害を客観的に受け入れ、より積極的にこれからの人生を生きることができるように、一人ひとりの障害に応じた訓練の計画、自立への計画を立て、実行していくことが大切となる。
更生施設は、障害の内容・程度、治療や訓練方法など施設で受けられる援助内容の違いによって次のように5つに分けられる。
肢体不自由者更生施設
この施設では、身体障害者手帳を持った18歳(必要により15歳)以上の肢体不自由者を入所させ、その医学的および社会的更生に必要な治療、生活指導、日常生活動作訓練、補装具装着訓練、運動機能回復訓練などを行っている。
入所期間は、1年を原則(6ヶ月以内の延長可)としている。
この施設の職員は、リハビリテーションを担当する理学療法士・作業療法士が中心となり、ほかにも医療的ケアを担当する医師、看護師、あんまマッサージ指圧師、心理判定員、主に障害者の生活面にかかわる世話をする生活指導員や寮母などが働いている。
重度身体障害者更生援護施設
この施設では、身体障害者手帳を持った重度の肢体不自由者あるいは重度の内部1161障害者を入所させ、その社会的更生に必要な治療、生活指導、訓練を行っている。
入所者は、職業的更生は困難であるが、少なくとも自助動作の機能が回復する可能性があると認められた人である。
入所期間は、おおむね5年以内とされている。
この施設の職員は、理学療法士・作業療法士、心理判定員、生活指導員、寮母、医師、看護師などである。
視覚障害者更生施設
この施設では、身体障害者手帳を持った視覚障害者を入所させ、その社会的更生に必要な知識や技術の習得、訓練を行っている。
主な訓練内容はあんま、はり、きゅう技術の取得であるが、このほかにも杖歩行の訓練や人とのコミュニケーション能力を高める訓練、点字教育が行われている。
入所期間は、あんま、はり、きゅう師の養成施設では2〜5年、その他の施設で原則として1年間である。
この施設の職員は、生活指導員、職業指導員、看護師、医師、視能訓練士やあんまマッサージ指圧師などである。
なお、生活指導員、職業指導員のうち少なくとも1人は、点字の指導ができる人でなければならない。
聴覚・言語障害者更生施設
この施設では、身体障害者手帳を持った聴覚・言語障害者を入所させ、その社会的更生に必要な指導、訓練を行っている。
入所期間は原則として1年(6ヶ月の延長が可能)であり、その期間、医学的診断と治療、聴力調査と言語明瞭度調査、聴覚更生訓練、音声・言語機能回復訓練、生活訓練、職業訓練などが行われる。
この施設の職員は、心理判定員、医師、言語療法士、職業指導員、生活指導員、聴能訓練士などである。
なお、生活指導員のうち少なくとも1人は、口話(読唇術による会話)または手話の指導ができなければならない。
内部障害者更生施設
この施設では、身体障害者手帳を持った心臓、じん臓、呼吸器など内臓の機能に障害のある人を入所させ、医学的管理のもとにその更生に必要な生活指導、職業訓練を行っている。
入所期間は原則として1年であるが、必要に応じて延長される。
この施設の職員は、医師、理学療法士・作業療法士、心理判定員、職能判定員、職業指導員、保健師、看護師などである。
また心臓機能障害者を入所させる場合は、心臓疾患専門の医師を勤務させることとなっている。
身体障害者のための施設の仕事の内容
施設の種別や規模により、職員の種類や人数も異なるが、おおまかにいうと次のようにまとめられる。
まず、医療に従事する職員として、医師、看護師、保健師がいる。
そして、その施設で受け入れられる障害に応じて、理学療法士・作業療法士、あんまマッサージ指圧師、聴能訓練士、言語療法士、視能訓練士、心理判定員など専門職員が配置される。
また、生活指導員、職業指導員、寮母などは、障害者の日々の生活にかかわる世話や自立に向けての作業指導、さらにはケースワーカーとしての相談業務などを行っている。
ほかにも、施設運営を支えたり、間接的ではあるが援助を行っている職員に、栄養士や調理員、運転手、事務員、施設長などがいる。
身体障害者施設の施設数
各施設の種別ごとの施設数、定員、在所者数、施設従事者数は下の表のとおりである。
趣身体障害者更生施設の状況
| 施設数 | 定員数 (人)/td> | 在所者数 (人)/td> | 従事者数 (人) | |
| 肢体不自由者更生施設 | 88 (36) | 5,882 (1,483) | 4,623 (744) | 2,590 (682) |
| 視覚障害者更生施設 | 19 (14) | 1,768 (1,374) | 1,166 (880) | 682 (483) |
| 聴覚・言語障害者更生施設 | 3 (3) | 160 (160) | 100 (100) | 116 (106) |
| 内部障害者更生施設 | 6 (6) | 398 (398) | 327 (304) | 102 (100) |
| 重度身体障害者更生援護施設 | - (73) | - (5,025) | - (4,334) | - (2,582) |
(注)カッコ内数字は平成14年の数値。 重度身体障害者更生援護施設は、肢体不自由者更生施設等、他施設に分類されて記されている
(資料)厚生労働省「社会福祉施設等調査報告」
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