その他の社会福祉関連施設・機関、産業、ボランティア等
福祉の職場は、行政機関、児童福祉、老人福祉、障害者福祉、生活保護というおおまかな分類に収まるもの以外にも様々ある。
まず、民間の福祉団体としては、地域の福祉活動推進やボランティア活動の育成などを行っている社会福祉協議会がある。
地域を基盤に包括的・継続的なケア、予防活動や治療活動を実践する機関としては、保健所や一般病院などがある。
また、精神障害者の医療問題の取り組みには、精神病院などがある。
障害児教育の分野では、盲学校、ろう学校、養護学校などのほか、地域の学校で養護教育として取り組まれている。
青少年の非行問題への対応施設・機関としては、児童福祉関係の児童相談所、児童自立支援施設などとともに、法務省管轄の施設・機関として家庭裁判所、少年院、少年鑑別所、保護観察所などがある。
これらの施設・機関により、非行少年・犯罪者の社会的更生の援助などを図り、いわゆる司法福祉の実践を行っている。
また近年では、高齢者福祉関連の取り組みとして、シルバーサービスが注目されている。
社会福祉協議会
社会福祉協議会は、一定の地域社会において住民が主体となり、社会福祉のさまざまな問題を解決、またはその改善向上を図るため、公私関係者の参加協力を得て、組織的活動を行うことを目的とする、民間の自主的な組織(団体)である。
ただ、民間組織といっても、社会福祉事業法第74条に規定のある組織で、各都道府県、政令指定都市、各市区町村に設置されており、その結成率はほぼ100%となっている。
そして、これら各地の社会福祉協議会の全国組織として活動をバックアップし、なおかつ国際社会福祉協議会に参加し、海外との交流も行っているのが東京・霞が関にある全国社会福祉協議会である。
ちなみに、社会福祉協議会は略して「社協」と呼ばれる。
またこの組織の特徴は、市長など自治体の長が会長を兼任することや、職員のなかにも自治体からの出向者や兼任者がいることなどからもわかるように、かなり公的な面を持った組織であるということである。
そのため、運営資金は自治体からの補助金、委託費といった公費の割合が高く、そのほか、地域住民、社会福祉施設やボランティア団体、障害者団体、老人クラブ、民生委員協議会など会員からの会費、企業や篤志家からの補助金などを財源として、地域の福祉活動の充実をめざしたさまざまな活動が行われている。
人口構造の急速な高齢化、核家族化などの進行による社会構造の大きな変動は、住民生活の各方面に次々と新しい福祉問題を生み出しているが、その広がりの大きさや複雑さ、あるいは動きの速さに対応した社会福祉関連の諸施策の充実が、今ほど要請されている時はないだろう。
これらの問題の解決は、地方自治体などからの公的施策のみで得られるものではなく、地域住民をはじめ関係団体などの自主的福祉活動を組織的に推進していくことによってはじめて可能となる。
社会福祉協議会はこのような役割を担う民間組織であり、その活動は高く評価されている。
社会福祉協議会の活動の内容
近年、社協を通じての地域の社会福祉活動が活発に進められているが、その具体的な活動内容はそれぞれの地域の実情、特殊性などによりかなり多岐にわたっている。
そのなかで、ほとんどの社協が取り組んでいる事業や活動としては、
- (1)ホームヘルプサービスやデイサービスの受託運営
- (2)食事サービスや入浴サービス、外出介護サービスなどの在宅福祉サービスの実施
- (3)老人スポーツ活動や家庭介護講習などの老人福祉活動
- (4)レクリエーション活動や集いの開催、点訳・手話講習などの障害福祉活動
- (5)母子または父子家庭への援助活動や遊び場の設置・補助、子供会への援助などの児童福祉活動
- (6)各種ボランティア活動への援助
- (7)生活福祉資金の貸し付けや各種相談活動の実施
などがあげられる。
このように社協の活動内容は実に広範囲にわたっているが、地域住民ならだれでも参加でき、資格も特に必要のない一般会員の参加が求められている。
たとえば、東京都社会福祉協議会の活動を紹介すると、福祉にかかわるあらゆる情報を収集したり、介護機器・介護用品の展示などを行う東京都社会福祉総合センター、ボランティア活動を活発にするための東京ボランティアセンターの設置などがある。
社会福祉協議会の施設数
社協は民間団体なので、職員の採用はそれぞれの団体で独自に行っている。
先ほど述べたように社協は都道府県、政令指定都市、市区町村の各段階で設置されており、全国の社協職員の総数は現在で10万1341人となっている。
これら職員の数は増加することが予想され、これからの就職先として魅力あるものとなっている。
しかし、都道府県の社協の例年の職員採用数は、その規模にもよるが、数人から多くても10人程度とあまり多くなく、依然として福祉系学生に人気の就職先となっていて、競争率が高く、むずかしいものとなっている。
また市町村の社協の場合は、規模が小さいために公開募集はせず、縁故採用を行うところが多いようだ。
ちなみに、求められる資格については、現在では社会福祉主事資格は、特に必須のものとして評価されていないようであるが、将来的には、「社会福祉士」の資格を持っていると就職に有利になる可能性もある。
いずれにしても、行政機関とは違った視点で、福祉ニーズをひろいあげることが必要とされている。
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