知的障害者授産施設
知的障害者授産施設は、18歳(場合によっては15歳)以上の知的障害を持った人で、一般企業などに雇用されることが困難な人を入所させ、将来の自立・社会復帰に必要な訓練・作業を行うとともに、職業を与えて自活させることを目的とした施設である。
この施設も更生施設同様、入所者を対象とした施設と、適所による施設の2種類がある。
なお、それぞれの施設の定員規模は、入所施設の場合は定員50人以上、適所施設は20人以上となっている。
また、2001年からは知的障害者小規模授産施設の制度が施行され、年々増加の傾向にある。
この授産施設と前出の更生施設の違いだが、実質的な入所対象者の明確な区分はされておらず、授産施設においては、くわしくは後述するが、賃金(工賃)が支払われることになっている点が異なるくらいである。
この授産施設が果たすべき具体的な役割は、入所者への作業指導、職業訓練を通じて、一般企業などへの就労の道を開き、職業的な自立をめざしていくことが、第−の目的である。
もう一つは、働く能力や意欲を持ちながらも社会への適応力に欠ける人に対して、施設内で職業を提供することである。
こうしたことから、すべての授産施設には、労働の場として作業施設をおいており、そこで行われる作業(労働)の対価として一定の賃金が入所者個人に支払われる。
これらのことでわかるように、授産施設は社会で自活するまでの通過点(準備期間)という機能を持つだけでなく、入所者の生活の場、労働の場という機能をも担っている。
この施設の入所対象者は、日常生活がおおむね自分で行える人で、簡単な作業が可能であることが条件になっている。
また、入院や治療などの医学的な問題や情緒障害がないことも条件だ。
これらの入所者は自活に必要な訓練を受けて、やがて社会で自立することになるのだが、今日では重度の障害やいくつもの障害をかかえている入所者も多く、このような入所者の重度化は利用期間を長期化させ、高齢化を進ませている。
これらの授産施設では、職種や仕事の確保に困難をかかえており、官公庁からの需要を優先的に受注できるように要望がだされている。
また、下請け的な作業ばかりでなく、より高い収入の得られる自主製品の開発などの工夫も必要とされている。
知的障害者授産施設の仕事の内容
この施設の援助は、作業指導を通じての入所者の職業能力の評価、訓練、開発が中心となっている。
そのほかにも各種の行事や余暇活動、地域社会への参加といった生活の質の向上をめざしてさまざまな取り組みがなされている。
これらの仕事に携わる職員は、作業指導員、生活指導員、介助員、医師、保健師、看護師、栄養士、事務員などである。
これらの職員のうち、中心になって入所者の援助を行っているのは、作業指導員と生活指導員である。
作業指導員は入所者の職業能力を高めるための援助を行っており、また生活指導員は、作業指導員と一緒に入所者の障害程度や種類に応じて、持っている能力をすべて引き出せるように指導したり、家族や福祉事務所などとの連絡、調整などを行っている。
この施設では、入所者が最終的に社会復帰することをめざしているから、施設内には作業所が設置され、生活指導員や作業指導員の援助、指導を通じて、入所者は生活力と職業的な自活力を身につけていく。
職員はそのための援助として、職業能力を高めるための訓練や作業指導を行い、さらにさまざまな行事、余暇活動の実施やアドバイスなどを行っているのである。
これらの施設への就職となると、あまり募集がないのが現実。
作業指導員・生活指導員としての募集がわずかにある程度で、地域によってはまったく求人がないということもある。
知的障害者授産施設の施設数
現在、全国に入所施設227ヶ所、適所施設1175ヶ所があり、合計で1402ヶ所設置されている。
入所施設の定員は1万4438人、在所者数1万4191人、施設従事者数6031人であり、適所施設の定員は4万4967人、在所者数4万3727人、施設従事音数1万4791人となっている。
近年は、社会的なニーズを反映して、入所施設よりも適所施設が急速に増えており、施設利用者も1987年をさかいに逆転した。
特に小規模適所授産施設では、2003年度には従事者数が1000人を超すまでになり、今後も増加する傾向にある。
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