知的障害者のための施設
知的障害者とは、知的障害を持っている18歳以上の人のことをいい、現在、全国に30万人以上(知的障害児を除く)いるといわれる。
知的障害者施設には、知的障害者の指導訓練を行う更生施設と、職業を提供して自活させることを目的とする授産施設がある。
こうした施設に従事する職員には、豊かな人間性と、専門的な技術や知識を持つことが要求されている。
知的障害者更正施設
知的障害者更生施設は、18歳(場合によっては15歳)以上の知的障害を持った人を入所させて保護するとともに、その社会復帰や自活を図り、そのために必要な指導や訓練を行う施設である。
この更生施設には、入所していろいろな援護を受ける入所型の施設と、居宅から通うことができる人には適所型の施設が設けられている。
適所更生施設の場合の定員規模は20人以上、入所更生施設の場合は30人以上となっている。
入所対象者は、社会的、職業的自立が期待できる比較的軽度の知的障害者から、日常生活を送るうえでの基本的な動作が困難で、介助を必要とする重度の人までさまざまである。
この施設では当初、入所期間を2〜3年として比較的軽度または中程度の知的障害者を中心として社会復帰を進めようとしていたが、1968年からは重度の精神障害者の処遇のため「重度棟」が設けられることとなり、重度者の割合が比較的多くなってきた。
重度棟についてはIQ35以下の重度者で日常生活動作に個別的な指導や介助を必要とする者、問題行動を有しているために常に注意と指導を必要とする人などが対象となり、長期にわたる生活施設の場としての機能が求められている。
今日では、入所者の半数以上が重度者で占められるようになっている施設もあり、入所者の長期化、高齢化が進んでいる。
なお、この更生施設に入所(または適所)するには、市区町村など地域の福祉事務所を窓口に、知的障害者更生相談所の判定を受けなければならない。
知的障害者更正施設の仕事の内容
この施設で受けられる援助は、日常生活動作の自立、社会性の獲得、教養・娯楽活動、退所後の社会生活への適応などを目的とした生活指導が中心であるが、必要に応じて作業指導も行われている。
これらの援助に携わる職員は、施設長以下、生活指導員、作業指導員、介助員、医師、看護師、保健師、事務員、調理員、栄養士などである。
これらの職員たちのうち、入所者の日常生活の援助指導、健康管理などを主に担当しているのは、生活指導員、作業指導員、看護師または保健師といった人たちである。
その具体的な仕事内容をみてみると、作業指導員は園芸、音楽、木工、陶芸、クリーニングといった作業をとおして、集中力や協調性などを養う訓練や職業訓練を行っている。
また生活指導員は、作業指導員と一緒に訓練を行うこともあるが、施設の行事の立案から実行までや、家族や福祉事務所などの関係機関などへの連絡、調整が主な仕事となっている。
なお、生活指導員が各施設で募集される際の条件に、知的障害者施設生活指導員任用資格の所持者、またはあれば望ましいとするところが多い。
なお、これら直接的なケアに携わる保健師または看護師、生活指導員、作業指導員の職員配置は、入所施設で定員4.3人に1人、適所施設で7.5人に1人となっている。
それぞれ求められている仕事も、障害が重度の人に対しては、日常の生活に必要な食事、排泄、衣服の着脱などの介助や援助、訓練などを行っているが、そのほか障害が比較的軽度や中程度の人には、社会的自立を目標とした職業指導や生活指導をしたりしている。
知的障害者更正施設の施設数
現在、全国に入所施設1430ヶ所、適所施設426ヶ所、合計で1856ヶ所となっている。
入所施設の定員は9万4097人、在所者数9万2734人、施設従事者数4万7703人であり、適所施設の定員は1万6830人、在所者数1万5811人、施設従事音数6492人である。
この更生施設は、ここ最近の10年間をみても、毎年平均で50ヶ所ずつ増加してきている。
また適所施設は、入所施設にくらべて定員は少なく、比較的小規模だが、在宅の知的障害者が容易に利用できるような施設となっている。
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