保健・医療・教育関係の施設
保健所
保健所は、疾病の予防、健康増進、環境衛生などに関する公衆衛生活動の中心的機関として、地域住民の生活と健康にきわめて重要な役割を果たしており、都道府県と政令で定める市などに設置されている。
現在、都道府県、政令で定める50の市および東京都の特別区により、全国で計594ヶ所置かれている。
具体的な業務としては、母子保健、結核予防、精神保健、歯科保健、栄養改善業務、予防接種、伝染病予防、環境衛生、食品衛生、各種試験検査など、広範多岐にわたっている。
これらの業務には高度な専門性が要求され、地域の実情に応じ、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、看護師、診療放射線技師、衛生検査技師、栄養士、統計技術者など多様な職員がおかれている。
また、1978年度より市町村レベルで保健サービスを提供する場として「市町村保健センター」の整備を進めており、現在、1705ヶ所が設置されている。
なお、急激な人口の高齢化、疾病構造の変化などに対応した地域保健対策を総合的に推進し、その強化を図るため、1994年に保健所法の抜本的見直しが行われ、地域住民の健康の保持・増進を図るための地域保健法に改められた。
これにともなって、母子保健法、栄養改善法などの変更が、1997年4月から行われている。
精神病院
精神科病院は、精神障害者の医療・保護、そして社会復帰を目的とする病院であり、現在で全国に1065施設ある。
日本の精神医療はこれまで病院治療が中心であったうえに、閉鎖的な隔離入院でその実態はあまり知られていなかった。
しかし、現在では薬物治療、精神療法、作業療法、社会療法などを用いた開放的治療を行い社会復帰を促進することや、国民の精神的健康の保持、増進に努めることによって、精神障害者の福祉の増進および国民の精神保健の向上を図っている。
この病院で働く職員には、精神科医師、精神科ソーシャルワーカー、臨床心理士などがいる。
このほか、精神保健の中心的な役割を担っているのが都道府県におかれる「精神保健センター」で、ここでは保健所および関係諸機関における技術面から指導、援助、教育研修を行っている。
一般病院
医療法により病院とは、医師または歯科医師が、公衆または特定多数の人のために医療または歯科医業をなす場所であって、入院患者20人以上の施設を有するもの、とされている。
そのなかで精神病院、伝染病院、結核療養所、らい療養所(現在は廃止)を除く病院を一般病院(いわゆる民間病院が多い)という。
現在、一般診療所、歯科診療所を除く病院数は9122施設で、そのうち一般病院は8047施設(88.2%)である。
人口の高齢化、疾病構造の変化、医学・医術の進歩および健康に対する国民意識の高まりなど医療をめぐる環境は大きく変化してきており、そうした状況を反映して国民の医療に対するニーズは著しく増大し、また多様化している。
養護学校など
養護学校は、病弱児や知的障害児、肢体不自由児に教育を施す学校である。
このほかにも学校教育法に基づく、盲学校、ろう学校という障害児の教育施設もある。
これらの学校はそれぞれ、幼稚部、小学部、中学部、高等部に分かれており、一般の幼稚園、小、中、高に準ずる教育を施すと同時に、障害を補うために必要な教育を行っている。
公立の養護学校などの教職員は、校長、教頭、教諭、養護教諭および養護助教諭、寮母、学校栄養職員、事務職員などがおかれている。
これらの学校の教師になるには、一般の学校の教諭と同じように、基礎資格として、小学校、中学校、高等学校、あるいは幼稚園の普通免許状を持つことが必要である。
しかし、これだけでは養護学校の教員にはなれず、これらの基礎免許状に加えて、所定の特殊教育に関する単位を修得して、盲学校教諭普通免許状、ろう学校教諭普通免許状、養護学校教諭普通免許状を持つことが必要になる。
いずれにしても、健常者と違って、その教育方法も非常にむずかしいものがあるが、ハンディキャップを負う子供たちにものを学ぶ喜びを教え、自立できる能力を培わせることはやりがいのある仕事であり尊いものである。
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