介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、原則として65歳以上(事情のある場合は60歳以上)であって、身体上または精神上著しい障害があるために常時介護を必要とする人(いわゆる寝たきり老人など)であり、かつ居宅において家族などからの適切な介護を受けることが困難な人を入所させ、日常生活上必要なサービスを提供する施設である。
もう少し具体的に、入所者が満たさなければならない要件をいうと、
- (1)脳梗塞やパーキンソン病などの病気によって身体が衰え、ほとんど寝たきりになってしまった人、
- (2)老人性痴呆症などにより記憶・記銘力の障害がおき日常生活を自力で十分に送ることができなくなった人たちで、常に介護してくれる家族がいなかったり、いても家族の介護疲れや病気、住居環境などの問題があって自宅で介護を続けることができなくなった、という状況の人、
を対象としている。
また、介護をしてくれる身内がおらず、互いの介護がむずかしくなってきた老夫婦なども多数入所している。
この施設への入所は、前述したように、その人の「要介護性」が判断の大きな基準となっており、収入の有無などの経済的要件に関係なく入所できる。
しかし、この施設は身のまわりの介護などを行う「福祉型」の生活施設なので、常に医師の手当てを必要とする人は入所できないことになっている。
そこで、医療サービスも必要とする高齢者には、医療面のサービスと福祉面のサービスを併せて提供できる施設として、後述する介護老人保健施設が創設された。
この介護老人福祉施設の設置主体は、地方公共団体または社会福祉法人だが、入所にあたっては、2000年4月から介護保険の対象施設となり、これまで市町村が行っていた措置(入所)の決定から、施設と利用者との契約により行われることとなった。
なお、入所していた高齢者は、要介護認定の結果、自立・要支援と認定されても5年間は継続入所が可能である。
介護老人福祉施設の定員規模は、20人以上となっている。
ただし、離島、山村過疎地域および都市部に設置する場合や、養護老人ホームまたは軽費老人ホームとする場合は、一定の条件のもとに10人以上の規模でもよい。
介護老人福祉施設は介護保険の対象施設で、これまで入所者一律に支弁されていた措置費から、入所者の要介護度に応じた介護報酬へと移行し、また、職員配置基準は介護保険法に基づく施行令に定められた。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の仕事の内容
職員には、寮母、生活指導員、看護師、医師(非常勤)、介助員といったメインの福祉職と、施設長、事務員、調理員、栄養士などの直接には入所者の介護にはかかわらないが、それぞれの仕事を通じて入所者の生活を援護する職種の2とおりがある。
実際に職員のなかで最も多くを占めているのは、入所者の食事の手助け、入浴の介助など身のまわりの介護、レクリエーションなど各種行事の企画といった幅広い仕事内容をこなしている寮母である。
定員50人の施設で10人程度が基準となっているが、多いところでは15人前後採用している施設もある。
また、家族との連絡調整、入所者の費用徴収や健康保険の手続き代行などを行う生活指導員は、定員170人以上で2人、それ以下の場合は1人配置することとなっている。
この生活指導員の場合でも完全に独立して1つの仕事に携わっているのではなく、寮母などと連携しながら仕事を進めることになる。
看護師や医師などの医療スタッフは、入所者の健康管理に十分留意しなければならないが、看護師は一般の看護職とは異なり、診療補助をする役割よりも入所者の健康管理といった面に重点をおいた仕事内容となっている。
さらに介護老人福祉施設には、理学療法士、作業療法士が配属されている場合がある。
これらの人たちは、身体が不自由な入所者に対し、リハビリテーションなどで機能回復訓練を行っている。
介護老人福祉施設の寮母、生活指導員、理学療法士・作業療法士は福祉職のメインといっていいほど、求人が集中している。
採用は各施設が個別に行うので福祉人材センターなどに問い合わせてみること。
介護老人福祉施設に入所してくる人は、基本的に自分の力だけで日常生活を送るのがむずかしい人たちが多く、したがって仕事は自然に介護中心のものになる。
寮母、生活指導員、看護師など直接ケアに携わる職員たちは、それぞれに連絡をとりあいながら、入所者一人ひとりが求めているよりよい援助を提供することを心がけなければならない。
これ以外の職種、たとえば栄養士、調理員などといった厨房関係の職種は、入所者の健康状態や晴好に合わせた食事を提供することで、食事面から入所者の生活を支えている。
このように職員一人ひとりの活躍が求められているのである。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の施設数
現在、全国に5084ヶ所設置されており、入所定員34万6069人、在所者数34万1272人、施設従事者数20万2770人となっている。
介護老人福祉施設の整備については、今後も寝たきり老人や痴呆性老人などの要介護者老人の増加が見込まれることから、2000年度からの5ヶ年計画(ゴールドプラン21)に基づき、2004年度までに36万人分を整備することを目標とした。
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