児童養護施設
児童養護施設とは、児童福祉法に基づき、乳児を除いた保護者のいない児童、虐待されている児童、その他家庭環境上問題をかかえた児童を養育、保護するための施設。
また、単に養護(養育、保護)するだけでなく、退所後の支援などを行い、児童の自立を支援することを目的とする。
施設への入所措置は、都道府県知事の委任により児童相談所長が親権者の同意を得て行う。
入所の対象となるのは、2歳から18歳までの子供であり、施設の定員規模も30人〜150人と施設ごとにさまざまである。
同じ事情のある子供でも、0歳から1歳までの乳児の場合は乳児院という別の施設で養育される。
一般的に、児童養護施設というと、親のいない子供を親にかわって育てるというイメージが昔からあったが、現在の傾向としては、保護者がまったくいないという子供は少なく、保護者があっても適切な監護(養育)が受けられない児童の入所が増加しており、父母の行方不明、父母の離別、父母の長期疾病、父母からの放任などによる入所が目立っている。
また、学業不振、不登校、夜尿、失禁などの問題行動や、神経性の習癖、症状、あるいは虐待を受けている児童の入所も多くなっている。
入所児童の年齢も小学校高学年から中学生以上の年長児童の割合が増加しているため、その処遇には幅広い専門性が要求されている。
そのため、1987年から3年計画で、全児童養護施設にスポーツや表現活動についての専門的指導を行うための職員の配置を行った。
さらに、1988年から施設退所児童の指導の強化を、91年から不登校児童などの指導の強化を図っている。
このほか、92年からは、社会にでる前の児童を対象に、施設外で一定期間生活訓練などを行う分園型自活訓練事業を実施している。
1994年からは大都市における在宅の育児不安、虐待および非行などの養育問題に対応する都市家庭在宅支援事業が始められ、95年からは入所児童の問題の背景にある親子関係を調整し、児童の家庭復帰を促進する入所児童早期家庭復帰促進事業が開始された。
また、身体の虚弱な児童に適切な環境を与えて健康増進を図る目的として設けられた「虚弱児施設」は、入所児童の態様の変化などから、1998年4月1日に施行された児童福祉法改正により、この「児童養護施設」に移行することとなった。
虚弱とは、医学用語ではなく、もともと学校教育分野における用語で、一般児童に比べ身体が虚弱であるといった程度の意味で、現実には判定のむずかしい場合もあり、必ずしも判定基準が明確ではない。
かつては結核性の児童が多く入所していたが、最近では、虚弱体質、気管支ぜんそく、情緒障害児などが多くなっている。
児童養護施設の仕事の内容
基本的な職員構成は、施設長、児童養護の専門職員である児童指導員、保育士、そのほかに調理員、栄養士、事務員、嘱託医、そして施設によっては、卒園後自立を図るための職業指導や就職指導を行う職員(リービングワーカー)、心理指導員と呼ばれる専門職員をおいているところもある。
これら児童養護施設の職員のなかで、常に子供たちと向き合って養育にあたっているのは、児童指導員と保育士である。
児童指導員と保育士は、児童と起居をともにし、食事、入浴、掃除など年齢に応じた日常の基本的生活のしつけ、学習および学校生活や友だちづきあいの相談や職業指導を行い、児童が健全な社会人として自立できるようその養育にあたっている。
また、児童相手の直接的な指導だけではなく、児童相談所など公的機関との連絡、調整や地域の人々との交流活動、そして子供たちの親との面接や家庭に戻るための援助、精神面での安定感を欠いた子供たちへの専門的な援助技術、退所後のアフターケアなど、地域の子育て支援に求められている仕事内容は多岐にわたる。
また、前述したように虚弱児施設が児童養護施設に移行されたことにより、虚弱児に対するケアの充実も求められるのはいうまでもない。
職員は、結核の発病のおそれがある児童や結核後で保護期間中の児童、先天的に体質異常のある児童、特に異常はないが発育の悪い児童、そのほか医師の診断で虚弱体質と認められる児童について適性な環境を与え、生活指導を行うことにより健康の増進を目的とした仕事が求められる。
主に児童指導員と保育士が入所児童の生活・健康指導などにあたるが、診察室・病室などの設備が設けられ、医師、看護師などが医療的ケアの充実を図らなければならない。
各施設においての職員の募集については、ほとんどが欠員がでた時に補充するというケースが多いようである。
毎年の職員採用数も多くなく、せいぜい3〜5人程度といったところで、年によっては採用数ゼロということもあるようだ。
なお、働いている職員の身分は、福祉事務所のケースワーカーのように公務員ではなく、社会福祉法人などの民間法人の職員であることが多い。
採用する側は、特に受験者の意欲、人間性、適性などを重要視するのはもちろんだが、自分なりのしっかりとした考え方を持っている人に働いてほしいと思っているのはまちがいない。
児童養護施設nの施設数
2003年での児童養護施設は、施設数554ヶ所(公営70ヶ所、私営484ヶ所)、入所定員3万3474人となっており、児童の在籍数は3万14人となっている。
全体の従事者数は、1万3329人となっている。
児童福祉法が改正される前に調査した1997年では「虚弱児施設」の数は、全国に32ヶ所設置されており、入所定員1909人、在所音数1483人であった。
施設従事者数は、730人となっていた。
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