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医学部医局のしくみ
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産婦人科
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循環器系診療科
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外科系診療科と外科
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精神科
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研修医の都会集中と地方医療の崩壊
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呼吸器系診療科
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眼科
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医師のキャリア形成
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整形外科
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内科系診療科と内科
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小児科
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脳神経系診療科
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リハビリテーション科
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医療機関が夜間救急車を受け入れにくい現状
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麻酔科
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放射線科
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泌尿器科
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皮膚科
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形成外科と美容外科
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病院の組織
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耳鼻咽喉科
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消化器系診療科
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大学医学部研修制度の長所と短所
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医学部医局のしくみ
専門分野に特化した臨床と研究活動の場
大学医局とは、教授を頂点とした専門診療科別の組織体で、その機能は複雑です。
従来は臨床を志す医師の多くは、この医局という組織を経て医師としてのキャリアを形成してきました。
多くの医師が医局に所属したことの源泉には3つの理由が考えられます。
1つ目は、大学医局に所属するメリットとして、医師は専門分野に特化した臨床経験を多く積めます。
とくに大学附属病院はまれな疾患が集まり、一般病院では経験できない症例を診ることができます。
また、ローテート方式により複数の病院で臨床経験を積むことができます。
さらに、医局に所属することで学会活動や厚生労働省などの国家的プロジェクトに参加しやすくなるため、臨床と研究を実践する場としても魅力があります。
2つ目は、医局は研究活動が行える場所であり、その結果として博士号を取得できることです。
研究活動を多忙な一般病院で行うことは難しいのですが、業績が論文などで評価される大学では、臨床と同等に研究活動が奨励されます。
医学が学問である以上、医師は研究活動によって新たな診断法や治療法を探し出していく必要があり、それにより医学、医療の進歩がもたらされます。
その意味で医局における研究活動、およびその結果としての博士号取得は医師が入局を選択する1つの理由になるのです。
3つ目は医局による人事権です。
医局は歴史的に地域に関連病院を複数もっており、それら関連病院で働くためには多くの場合、医局の人事を通す必要があります。
しかし前にも述べたように、2004年の臨床研修制度必修化の影響で医局の人事権は様変わりしつつあります。
博士号より専門医取得に価値をお宅医師も増え、医局の役割も今後変化していくことと思われます。
博士号の取得
医局では研究活動が重視され、博士号取得に有利な環境にあります。
一般的な医学博士号取得コース
- (1)大学院の医学経験休暇博士課程を終了する
- (2)大学院博士課程に相当する教育を修了し、大学評価・学位授与機構の審査に合格する
カテゴリー:医師
産婦人科
医師不足、安全出産のための医療システムの構築
産婦人科は、産科と婦人科を併せた診療科です。
産婦人科や産科、婦人科として標榜されていることがあります。
産科は、母体と胎児を妊娠から出産、新生児まで扱います。
健診や診察を行い、ときには治療しながら、安全に分娩を終えることができるようにします。
産科では常に正常分娩ばかりが行われるわけではなく、妊娠中に合併症を起こした患者の治療や、切迫早産など早産になりつつある妊婦を入院させて治療したりもします。
妊娠中の合併症では糖尿病や妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)など他科との連携が必要な場合もあります。
最近では、合併症などを抱えるハイリスク分娩も増えているため、出産のリスクが増加しています。
2004年の福島県立大野病院で起こった妊婦死亡事故が刑事事件の対象となったことは産科医師にとって大きな衝撃となり、この事件を境に、出産リスクの高い分娩はできれば避けたいという風潮が高まりました。
一方、婦人科は、子宮や卵巣など女性特有の病気を扱う診療科です。
更年期障害や生理不順の治療、子宮がん、卵巣がん、子宮筋腫などの手術を行います。
婦人科は、手術も多く扱うことが特徴的です。
近年の晩婚化は、不妊症へとつながっています。
晩婚化は、高齢出産へとつながり、高齢出産は妊娠しにくいため、妊娠するために治療が必要となります。
この不妊症を治療するのも不妊治療を専門とする産婦人科なのです。
現在、医療政策では、産科医不足を補い安全な出産ができるような医療システムを構築することが課題となっています。
そのために、ハイリスク分娩の拠点となる医療機関と地域との連携や、周産期母子医療センターといったシステムが立てられています。
今後は、このような医療機関を中心とした地域の連携態勢が整えられ、実際に機能することが求められています。
ハイリスク分娩
近年のハイリスク分娩で目立つのは低出生体重児と母体の高齢化です。
前者の1998〜2004年の増加率は1kg未満3.68、1.5kg未満2.73でした。
母体の高齢化も年々進んでいます。
カテゴリー:医師
循環器系診療科
循環器内科で担当する病気
循環器系診療科とは、内科系は循環器内科、外科系は心臓血管外科、心臓外科、胸部外科などとして標榜されています。
循環器は血液の循環に関連する働きをする臓器であり、心臓と血管のことです。
身近なものでは高血圧などが循環器の病気です。
循環器内科は心臓と血管の内科であるため、心臓内科や心臓血管内科と標榜する場合もあります。
循環器内科は大まかに不整脈、肺循環疾患、心不全、虚血・血管疾患の4つに分かれることが多く、循環器の専門病院である国立循環器病センターでも心臓血管内科をこの4グループに分けています。
循環器内科ではX線検査、心電図検査、超音波検査や血液横査などにより診断を確定し治療を行います。
近年、循環器内科における診断治療技術の進歩は著しく、急性心筋梗塞など緊急性の高い虚血性心疾患領域や不整脈分野においてその傾向が顕著です。
とくに心臓カテーテルを使った診断・治療が急速に進歩しており、経皮的冠状動脈インターベンション(PCl)として広く普及しています。
PClの例として、経皮的冠状動脈形成術(PTCA)といわれる急性心筋梗塞の治療法があります。
PTCAは、バルーンカテーテルとよばれる風船(バルーン)がついたカテーテルを冠状動脈内に進入させ、動脈硬化などで狭くなった部位でふくらますことにより血管を広げ、血流をよくする治療法です。
この医療技術により狭心症や心筋梗塞に対して、患者の身体に負担の少ない治療が行うことができるようになりました。
最近では、再度血管が狭くなってしまうことがないように、薬剤溶出ステントとよばれる薬剤がコーティングされたメッシュ状の金属製の筒のようなものを、血管の狭くなった部位で広げると同時に留置します。
これにより再狭窄のリスクは少なくなっています。
循環器外科が担当する病気
心臓血管外科は、心臓や動脈などの血管の病気に対する手術を行います。
心臓血管外科で扱う主な病気としては、先天性心疾患、虚血性心疾患、弁膜症、大動脈疾患などがあります。
先天性心疾患は、生まれながらにして心臓に奇形がある病気です。
多くの場合、手術をしないと心不全などになってしまうため、小児科などと協力しながら治療方針を決めていきます。
また心臓血管外科では、内科的治療が難しい心筋梗塞など虚血性心疾患に対する冠状動脈バイパス手術も行います。
弁膜症とは、心臓を構成する4つの弁に異常がある病気ですが、弁が狭くなる、あるいは閉まりにくくなった病気です。
心臓血管外科では、弁膜症に対して生体弁や機械弁を用いて形成術も行います。
さらに大動脈疾患では、大動脈に大動脈癌ができることや大動脈が裂けて大動脈解離という状態になることがあります。
心臓血管外科では人工血管などを用いて大動脈疾患の手術も行います。
循環器の疾患の多くは生命にかかわる緊急度の高い病気が多く、患者は救急車で来院して入院することも少なくありません。
急性心筋梗塞などの循環器疾患の患者は、CCU(Coronary Care Unit)とよばれる冠状動脈疾患管理室(循環器の集中治療室)に運ばれます。
ここでは循環器の医師により高密度の治療と管理が行われます。
また急性心筋梗塞などは治療開始までの間に急変することがあるため、救急車内に循環器の医師が同乗し救急蘇生用具を搭載したモービルCCU(Mobile CoronaryCare Unit)などで搬送車の急変時にも対応することもあります。
近年では、循環器系診療科医師の努力と診断治療技術の進歩によりも かつては救命できなかった多くの患者が助かるようになっています。
カテゴリー:医師
外科系診療科と外科
重労働と訴訟の多さで志望者が減少
内科と対極にある診療科が外科ではないでしょうか。
外科はSurgeon(外科医)によって標模される診療科で、Surgeonは、Surgery(手術)をする人です。
手術は、生体にメスを入れたりる侵襲的な治療の代表です。
一般病院での外科診療プロセスで通常多いパターンは、内科で診断がついて外科手術の適応となる患者の治療です。
たとえば、消牝器内科の「大腸がん」の診断で外科外来を紹介 − 外科医による手術の必要性の説明と手術日の決定 − 外科病棟に入院 − 外科医によるインフォームドコンセントや術前処置 − 手術(手術時問は疾患によっぞさまざま) − 手術直後の回復室を経て一般病棟にもどる − 術後の検査や治療 − 全身状態や術創の回復をみて退院となります。
外科系の診療科目は厚生労働省の分類では16科です。
近年では、外科系診療科が細分化されてきているため、外科を一般外科ともいいます。
一般外科とは、呼吸器や消化器、内分泌(甲状腺など)、乳腺などを対象疾患としています。
また治療技術の進歩により、近年は内科領域と外科領域の境が曖昧になっています。
内科でも侵襲的な治療が行われるようになり、外科でも術前、術後の抗がん割治療などの薬物治療が行われるようになってきています。
最近は、重労働や訴訟の多さなどの理由で外科を志望する新人医師の数が減少しています。
残念ながら現在においても手術や治療は、すべてが同じ結果となるわけでなく、またまれに、予想外の不幸なことも起こります。
しかし外科医がベストを尽くした結果であっても、最近では訴訟となることが珍しくありません。
外科医が萎縮する社会では、外科医を目指す医師が減ること以外にも、治療の進歩などが鈍る可能性があり問題です。
カテゴリー:医師
精神科
現代社会の複雑な様相を映し出す心の病を治す
精神科は最近では昔の偏見や暗いイメージは払拭されて、受診する患者さんも増加しています。
神経科、神経内科、心療内科といろいろあって紛らわしいといわれますが、これらはもともと精神科から派生したもので、とくに神経科は精神科を指す場合もあります。
神経内科は脳や神経の病気、心療内科は内科の一部門として心身症などを扱いますが、実際の治療の場では相互に連携しあいます。
また、近年では内科や外科など他科に入院中の患者でも入院中に精神的不安に陥り精神の調子が崩れる人も多く、そのような場合は他科からの依頼で精神科の医師が往診などを行い精神障害の予防から早期発見、治療まで請け負う機会も多くなっています。
さらに、いじめ、虐待などに起因する小児の心の問題も多く、精神科医が小児科医と連携して診療にあたることもあります。
精神科は神経症(ノイローゼ)、うつ病、統合失調症(精神分裂病)、アルコールや薬物の依存症、老人性認知症(痴呆)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、アルツハイマー病、睡眠障害など、さまざまな精神障害にかかわる病気を扱います。
とくに最近は非定型うつ病という新しいタイプのうつ病が注目されています。
精神科の治療の主体は薬物療法で、とくに統合失調症、うつ病、そう操うつ病の躁のときには、薬物による治療が必要です。
そのほか、精神療法、行動療法もあり、心理カウンセラーによるカウンセリングも適宜行われます。
近年はECTという電気けいれん療法も治療に用いられ、効果を上げています。
また入院は、精神保健指定医という法的な強制入院の権限をもつ医師の判断で行われます。
市場原理主義の現代社会には人の心を傷つける要因が至るところに潜在しています。
こころのバリアフリー宣言の普及に果たす精神科の役割はますます大きいものがあります。
カテゴリー:医師
研修医の都会集中と地方医療の崩壊
2004年の臨床研修制度の必修化により、卒業直後の医師は従来のように直接大学の専門分野別の医局には入局できなくなり、プライマリーケアを中心としたスーパーローテート方式(総合診療方式)で2年間研修を行う必要が出てきました。
このことは新人医師にとって大変な変化となりました。
まず研修先の決め方ですが、卒業を控えた6年生は自分にとってベストな研修先を選ぶために休暇を利用して候補病院を訪問します。
一方で研修病院側も希望者が研修医としてふさわしいかをチェックします。
最終的に双方の希望をコンピューター上でマッチングしたうえで研修先が決定されていくマッチング制度が導入されています。
研修先は東京、大阪、福岡などの大都市志向が顕著で、全国的に有名な病院に希望者が集まる傾向があります。
この理由として、これら有名病院は研修システムが確立されていて臨床レベルも高いことや、内容が充実していることがあげられます。
また、このような病院で研修した実績は、医師の経歴上も評価される傾向があります。
逆に大学病院は敬遠される傾向があるようです。
その理由として、歴史的な医局制度の弊害として、プライマリーケアを取り入れた研修システムが確立されておらず、また臨床より研究優先の傾向や大所帯すぎてきめ細かい研修が難しいことなどがあげられます。
この研修先の変化の結果、新人医師の入局がなくなった大学病院医局は関連病院から派遣医師を引き上げることになり、このため地域病院は深刻な医師不足に陥り、診療科の閉鎖、激務に耐えられず開業医への転身など、深刻な問題が生じています。
勤務医から開業医へ、この「立ち去り型サボタージュ」といわれる悪循環のため、一般病院を中心とした地域の医療崩壊が進んでいます。
医師臨床研修の影響
一般病院には、これまで大学医局からローテーションにより派遣されてきました。
しかし、大学で研修を受ける医師が減少し、一般病院に医師が派遣されない結果となりました。
カテゴリー:医師
呼吸器系診療科
呼吸器内科が担当する病気
呼吸器系診療科とは、主に呼吸器内科と呼吸器外科のことで、呼吸器内科は、呼吸器系疾患の内科的な診療を行い、呼吸器外科は、呼吸器系疾患の外科的な診療を行います。
呼吸器系診療科の医師は、呼吸器の病気についての専門家です。
呼吸器内科が担当する病気には、感染性の疾患、気道閉塞性の疾患、間質性肺疾患、腫瘍性肺疾患、アレルギー性肺疾患、肺血管惟病変、胸膜疾患、呼吸器不全、その他、気管支拡張症やじん肺などじつにさまざまな疾患があります。
呼吸器系の代表的疾患
| 疾患分類 | 疾患 |
| 感染性呼吸器疾患 | かぜ症候群、急性気管支炎、細菌性肺炎、肺化膿症、肺結核、肺結核性抗酸菌症(肺非定型抗酸菌症)、肺真菌症、肺寄生虫症、日和見感染症(ニューモシスチス肺炎、サイトメガロウイルス肺炎)、 |
| 気道閉塞性疾患 | COPD-肺気腫、COPD-慢性気管支炎、びまん性汎細気管支炎 |
| アレルギー性肺疾患 | 気管支喘息、過敏性肺炎、抗酸球性肺炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス酸、薬剤性肺炎 |
| 間質性肺疾患 | 突発性間質性肺炎、放射性肺炎、サルコイドーシス、BOOP、膠原病肺 |
| 腫瘍性肺疾患 | 肺がん、転移性肺腫瘍、肺の良性腫瘍、縦隔腫瘍 |
| 肺血管性病変 | 肺血栓塞栓症、原発性肺高血圧症、肺水腫 |
| 胸膜疾患 | 胸膜炎、膿胸、胸膜腫瘍、気胸 |
| 呼吸不全 | 急性呼吸不全・ARDS、慢性呼吸不全 |
| その他 | 気管支拡張症、じん肺、原発性肺胞低喚起症候群、過換気症候群、睡眠時無呼吸症候群、リンパ脈管筋腫症、肺ランゲルアンス細胞ヒスチオサイトーシス、肺移植 |
肺の病気というと、以前は結核や肺炎など感染症が大多数を占めていましたが、これらは抗生物質の開発で減少しました。
代わって現在では、気管支喘息などのアレルギー疾患の増加、また日本人の高齢化に伴い患者数が飛躍的に増えてきた肺がんなど、時代とともに肺の病気の種類も変化しています。
とくに肺がんはがん全体のなかでも最も患者数が多い病気です。
また肺がんは他のがんと比べても治療が難しく、分子標的薬剤などの最新抗がん剤が次々と開発されていますが、手術による切除以外ではいまだ完治が難しい病気です。
その一方で気管支喘息に関しては、近年の呼吸器科医の努力により治療や疾病管理が急速に改善し、1990年代に喘息ガイドラインが整備された結果、気管支喘息による死亡率は近年著しく減少しました。
近年は在宅医療において、在宅酸素療法や在宅人工呼吸器療法など、これまで入院で扱っていたような治療を自宅で行うことができるようになりました。
さらに、COPDなどにより呼吸困難をきたす患者に対しては、呼吸器リハビリテーションを理学療法士などと連携して行います。
日本呼吸医学界認定専門医
呼吸器専門医は日本内科学会認定内科医資格を有するもののなかで、呼吸器の機能形態学をはじめ、関連諸学問の豊富な知識、専門的検査技術、重要疾患の臨床経験を持ち、加えて高邁な医療倫理感を有することを有す − 日本呼吸器学会専門医制度規則第3条の要約(呼吸器科の医師全てがこの専門医とは限りません)
呼吸器外科、生活習慣病予防、画像診断
呼吸器外科が担当する病気は肺がんの手術が最も多く、ほかに気胸や、肺を構成する袋が異常拡大してしまう肺気腫、縦隔腫瘍などの手術も行います。
また近年では技術の進歩により、より体に負担の少ない手術として胸腔鏡手術を取り入れる施設もあります。
近年、限られた施設で、末期的な肺疾患に対して肺移植も行われています。
肺移植の対象となる病気には、原発性肺高血圧症、特発性肺線維症、肺気腫、気管支拡張症など、ほかの治療には反応せず、慢性で進行中に呼吸不全に陥ってしまう病気などがあるためです。
呼吸器系診療科の医師は、近年、生活習慣病予防でも注目を集めています。
生活習慣病は、食事や運動、喫煙の生活習慣に起因しています。
そのため、禁煙に対する指導を予防活動として行うようになってきました。
ニコチン依存のアセスメントやニコチンの依存体質を改善するためのニコチンパッチなどの処方を行います。
呼吸器系診療科の医師が使う診断機器は、ステント(聴診器)、画像診断機器、気管支鏡、ピークフローメーターなどがあります。
呼吸の音の変化により呼吸器系の異常を見分け、胸部X線やCT、MRlなどにより小さな病変を見つけます。
とくに画像診断は年々進歩し、結核病変や肺の腫瘍などで非常に小さい時期の病変でも見つけられるようになっています。
ピークフローメーターは呼吸を吐き出す際の速度を測定する機器で、気管支喘息の診断や患者による自己管理に用います。
日本人の死因に占める肺がんの割合やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)による在宅酸素利用者の増加、気管支喘息に代表されるアレルギー疾患の増加、医療機関の病棟での人工呼吸器管理の増加の傾向を考えると呼吸器系診療科の医師は、これからもますます社会から必要とされることは間違いありません。
カテゴリー:医師
眼科
手術技術の進歩と診断・治療の向上
眼科は、耳鼻咽喉科と同様に感覚器を扱う診療科です。
近視や老眼といった身近なものから、手術を必要とする白内障、角膜移植、網膜硝子体疾患、難治性の緑内障など、多岐にわたる眼の病気を扱っています。
目の病気は生活に密着しているだけに、患者数も多いのです。
治療法も多岐にわたります。
近年では近視、乱視などの屈折異常に対してレーザーを使って角膜を削る屈折矯正手術なども行われています。
また、手術やステロイド剤などを使用した内科的治療も行います。
治療法とともに、眼科で扱う疾患もさまざまで、ときには神経内科医との連携も必要です。
眼科は他の診療科に比べ外来の患者数が多く、いつも混んでいる状態です。
診療は眼科医が行い、検査は視能訓練士や臨床検査技師が行います。
また、眼鏡やコンタクトレンズの練習などについては視能訓練士が行います。
眼科では、手術も積極的に行われます。
代表的な手術は、白内障に対する眼内レンズ挿入術という、水晶体を人工レンズに置き換える手術で、日帰り手術も可能です。
また、全国的に普及してきているレーシック(LASIK)という近視の屈折矯正手術は、医療保険の適用となっていませんが、この手術を受けた著名人の視力が劇的に回復したという報告もあり、手術を受ける人が増えています。
現在、眼科は、診療報酬の抑制政策の影響を受けています。
コンタクトレンズの処方を専門とする診療所の不正請求などにより、眼科に対する風当たりが厳しくなっているのです。
今後は、レーシックのような自費診療の分野にも積極的に投資し、診療を行っていく眼科が増えていくことは間違いありません。
テクノロジーの進歩に伴い眼科の診断・治療はますます進化していくはずです。
日帰り手術
白内障手術(超音波乳化吸引術)
白内障は水晶体が濁って硬くなる老化現象の1つです。濁りは水晶体の周囲から起こるので、すぐに視力が低下することはありませんが、なかには水晶体の核の部分が茶色に硬くなる例もあり、このときはなるべく早く手術で治すべきでしょう。
レーシック手術(角膜屈折矯正手術)
レーシックはレーザーで角膜を削って屈折率を変えることで近視を治す手術です。
乱視、遠視の矯正も可能です。
メガネ、コンタクトレンズが不要となるのでスポーツ選手が受けることが多いようです。
保険適用はありませんが、民間の保険会社のんかには保険金の対象となる契約もあります。
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医師のキャリア形成
医学部医局も選択肢の一つ
従来はほとんどの医師が研修後に大学の医局へ入居し、医局という組織のレールの上で各自のキャリアを形成していました。
医局を通して専門診療分野の臨床経験を積み、また研究活動を行うことで博士号を取得することができました。
また、医局に所属することで専門分野における臨床・研究両面において経験を深めることも可能でした。
入局したては、医局の人事統制のもと、複数の関連病院を数年単位でローテートして臨床経験を積みます。
30代半ば以降になると海外への研究留学なども医局人事の一環で行われます。
このように、若い医師は医局において臨床・研究の両面で雀段鎌を積み一人前の臨床医になっていくのです。
一方で40代を迎えるころには医局でのレールも複数に分かれ、各医師がそれぞれの道を選択していくことになります。
選択肢としては、そのまま大学に残り助教、講師、准教授、教授、といった大学内ポストを志向していく医師や、関連病院のスタッフとして医局人事を離れ就職していく医師、あるいは開業をする医師、基礎医学の研究者を目指す医師、などがあります。
このように、従来は医師のキャリア形成において医局はほぼすべての臨床医が通過する存在でした。
しかし、卒後臨床研修必修化(2004年)以後においては、研修後の入局希望者は減っており、研修後も研修を行った病院にとどまり後期研修を続ける医師も増えてきました。
また地域の病院も医師確保を従来のように全面的に医局人事に頼らなくなりつつあります。
このことから、今後は医師にとって医局という組織を通じたキャリア形成は、従来のように必ず通過する組織ではなく、あくまで選択肢の1つになりつつあります。
2年の必修研修を終えたら
2年間の初期研修を終えたら、さらに専門医、認定医を目指しての後期研修(これは義務規定ではない)のため、大学医局へ戻るか、初期研修を行った病院で続けるかの選択があります。
カテゴリー:医師
整形外科
運動器疾患を持つ高齢者のQOLを維持する
整形外科というと美容のエキスパートと勘違いをする人も多いのではないでしょうか。
美容など身体の形を治すエキスパートは形成外科・美容外科です。
整形外科は、運動機能に関する病気やけがを扱う診療科です。
骨折整復や骨折後のリハビリ、椎間板ヘルニアの手術などは整形外科で行います。
ほかにも、股関節、肩、膝、手など、さまざまな部位の診療を行います。
骨粗鬆症や骨腫瘍、リウマチなども整形外科の分野です。
また、スポーツに特化したスポーツ整形という分野もあります。
日本臨床整形外科学会の定義によると、整形外科とは、人体の運動器官の病気や外傷(ケガ)を取り扱う医学の一部門です。
整形外科は、一般には接骨院と区別がつきにくい部分があります。
そのため、捻挫や脱臼などで接骨院を受診する人も多くいます。
このような領域も整形外科領域なのです。
整形外科は、整形外科医が医療行為を行い、接骨院は、柔道整復師が施術を行います。
また、リウマチという関節の病気は、整形外科の医師も専門的に治療にあたっています。
近年ではリウマチ科という診療科も認められたため、整形外科とリウマチ科を標榜する医師も少なくありません。
整形外科の治療の中心は手術ですが、近年では体への侵襲の少ない内視鏡手術も行います。
関節鏡という小さいカメラを用いて小さい傷で膝などの手術を行う関節鏡下手術があり、施設によっては日帰りでの手術も可能となってきています。
整形外科医は、手術後の運動器のリハビリも積極的に行います。
高齢者で介護が必要になる原因として、運動器の疾患は大きな位置を占めます。
したがって運動器疾患を予防の治療することは、これからの起高齢化社会における高齢者のQOL(生活の質)を維持するためにも非常に大切になってきます。
カテゴリー:医師
内科系診療科と内科
いわゆる一般内科と専門性の内科
一般的に内科系診療科というのは、厚生労働省の医療施設調査による分類では、内科、呼吸器科(呼吸器内科)、消化器科(消化器内科)、循環器科(循環器内科)、小児科、精神科、神経科、神経内科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科をいいます。
これら内科の中心は、呼吸器疾患、消化器疾患、循環器疾患です。
風邪を引いたときに内科を受診するのは、風邪は呼吸器系の疾患だからなのです。
また高血圧のような疾患は、本来は循環器科を受診することが望ましいのですが、内科は循環器疾患を包括しているために、内科でも循環器科でも診ることができます。
こういう診療科の標棟のしかたは、医療機関の規模によっても遣います。
診療所や中小病院では、循環器科より内科を標模したほうが患者を呼び込めます。
そのため、循環器専門の医師でも、診療所で内科系の一次医療(プライマリーケア)に関する診療を行う一方、循環器の専門外来で診察を行ったりします。
一方、大病院では1日に数千人の外来患者が訪れます。
そのため、外来を専門分野別に細分化して診察を行います。
ただ、最初から神経内科やアレルギー科などの専門の診療科に患者が判断して受診することは難しいため、内科を一般内科や総合診療科とし、専門診療科への振り分け機能を担わせたりします。
在宅医療も、内科系の診療科の医師が中心となります。
在宅療養の患者は、寝たきり状態もあり、多くは慢性疾患です。
そのため、一部の高密度医療を除いては、在宅における疾病管理が主な医療となります。
今後の在宅医療の発展は、内科系の医師の腕にかかっているともいわれています。
内科医療の提供される場面
外来医療から入院医療、在宅医療へと内科の医師は、地域のかかりつけとしての活躍に期待が集まっています。
とくに在宅医療は、医療機関を受診することが難しい人にってはありがたい存在です。
専門診療科への振り分け
専門家への適切な紹介は、限りある医療資源の有効活用策として期待されています。
またそれは、患者による専門家へのすばやいアクセス可能とし、医療の質を向上します。
カテゴリー:医師
小児科
小児のかかりつけ医
小児科は小児の内科という存在です。
小児は成人と身体構造が遣うため、小児科で診療を受けます。
小児とは一般に15歳未満を指すので、実際には14歳まで診療している医療機関が多いようです。
例外として、小児期から継続して診る場合や、先天性疾患の場合は、15歳以上でも診療を行う場合があります。
新生児(出生から4週間まで)を専門に診る小児科医もいます。
一般病院の小児科の医師は基本的に何でも診ます。
一般的な風邪から肺炎や気管支喘息、腹痛や腸重積、アトピー性皮膚炎、神経疾患のてんかんや熱性けいれん、血液疾患の白血病、またNICU(新生児集中治療室)での対応など、その範囲は膨大です。
多くの場合親が一緒ですので、診察結果を親へ説明し納得してもらう必要があり、大人相手の他科とは遣った側面があります。
さらに注射などの治療手技でも小児は必ずしも聞き分けがよいわけではないので、大人相手とは全く遣うスキルが必要となり労働負担も増えます。
また、ちょっとした風邪でも親は心配になるので、必然的に夜間や休日外来では小児科医の出番が非常に多くなります。
一方で、小児科では使用する薬が安価で量が少ないなど、他科に比べて利益よりもコスト負担が大きく病院経営上の問題も出ています。
この結果として、病院から小児科医が去り診療科そのものが閉鎖になったり、小児科医の志望者も減るなどの問題が起こっています。
現在の小児科医の過労死や救急にまつわる問題は、日本の医療制度上の最重要課題です。
安心して子供を育てることができるのは、小児科医のおかげです。
新しい医療政策の環境づくりが非常に大切です。
小児科の病気の特徴
- (1)病気の進行が早い
- (2)症状がつかみにくい(とくに新生児や幼児の場合)
- (3)年齢による違いがある(とくに新生児では先天性疾患に注意)
- (4)伝染性の病気が多い
- (5)季節性もある(春の麻疹、結膜炎、夏のポリオ、日本脳炎など)
NICU - 極小未熟児も救命する
NICUは早産児や低出生体重児に見られる新生児呼吸障害症候群(IRDS)などの受賞新生児を救命する集中治療室。
近年の多胎妊娠の増加から2500g以下の低出生体重児(未熟児)が増え、NICUの不足をきたしています。
近年では、1000g未満の極小未熟児も救命できるようになりました。
カテゴリー:医師
脳神経系診療科
脳にかかわる病気を診る
脳神経系診療科は、内科系が神経内科、外科系が脳神経外科や脳外科として標榜されています。
神経内科は、脳や神経の内科という表現が適切かもしれません。
医療機関によっては脳神経内科と標榜しているところもあります。
神経内科では主に脳、脊髄、末梢神経、筋肉などの疾患を扱います。
一方で、同じ脳の病気でも精神活動の結果起きる妄想、幻想や気分の変化であるうつ病、躁病などは精神科や心療内科で扱い、神経内科の診療対象ではありません。
また神経学的な症状が共通していても、原因部位によっては眼科、耳鼻咽喉科、整形外科などで診る疾患もあります。
たとえば、足のしびれであってもその原因が椎間板ヘルニアによる神経圧迫であれば、治療に手術が必要であるため整形外科が担当になります。
このように、脳や神経に関する疾患は他科にまたがることが多いために受診先には注意が必要ですが、神経内科では神経学的な症状から診断を確定し、適切な他科へ紹介することもしばしばあります。
神経内科で診る症状として多いのは、「手足がしびれる」「頭がズキズキする」「手足が思うように動かない」「言葉がしゃべりにくい」「めまい、耳鳴りがする」などです。
これらの症状と経過を患者から聞いた後、神経学的所見やCT、MR(などの画像検査、電気生理学的検査、病理、髄液検査、血液検査などから原因疾患を診断していきます。
診断の結果、必要であれば適切な科へ紹介しつつ治療を開始します。
また近年では、予防医学としての脳ドックを行うこともあります。
脳血管系の病気は、発症する前に発見されることもあり、脳ドックの検査などで末破裂動脈癌や脳動静脈裔形を発見することがあるのです。
芝のようなときは、手術が必要な場合もあります。
脳卒中と生活習慣病
脳卒中の正式名称は脳血管障害です。
喫煙、多量飲酒など悪い生活習慣が重なると、高血圧を招き、脳卒中のほか、糖尿病、高脂血症、心臓病などの本格的な怖い生活習慣病になるおそれがあります。
脳卒中は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血に分かれ、患者数の一番多いのが脳梗塞という血管が詰まってしまう病気です。
脳卒中の死亡率の推移
脳卒中は昭和55年頃までは日本のNO.1の国民病で死亡率も1位でした。
それが昭和40年代後半から低下しはじめ、現在は3位です。
しかし、患者数は増加し、後遺症による要介護の原因で一番大きくなっています。
急性期治療から在宅医療まで、超高齢化社会を支える
神経内科では、脳梗塞を発症し麻痺など後遺症を残す患者の病後の継続的な治療をすることも多く、脳卒中の急性期治療からリハビリまでを行います。
その場合はリハビリテーション科の医師や理学療法士、作業療法士などの専門職とともに経過のフォローにあたることになります。
神経内科の疾患として多いのは、髄膜炎などの感染症、脳梗塞などの脳血管障害、パーキンソン病などの中枢神経変性疾患、多発性硬化症などの脱髄疾患、脳神経麻痺などの末梢神経疾患、膠原病などによる筋炎などがあります。
一方、脳神経外科では、主に脳卒中とよばれる脳血管の破裂や脳の血管がつまることに起因する疾患(脳血管障害)に対する外科的治療や、悪性脳腫瘍などに対する摘出手術を行います。
脳血管障害の手術では、手術用の顕微鏡(マイクロサージェリー)を用い脳内の細い血管を縫合したりします。
また、くも膜下出血の原因である脳動脈癌がみつかった場合は、動脈癌が破裂しないようにクリッピングやコイル塞栓術などの手術を予防的に行うこともあります。
近年ではMRl、CT、PET(ポジトロンCT、最新の核医学検査の1つ)などの脳神経画像診断機器のテクノロジーが年々改良されており、また血管内治療やガンマナイフなどの放射線治療の進歩も著しく、これら新たな診断技術、治療法を取り入れることが脳神経外科の治療成績向上につながっています。
今後世界で初めて起高齢化社会を迎える日本にとっては、脳梗塞など脳神経系疾患の患者が増えることが予想されます。
そのような状況では、地域において急性期の対応から後遺症によって介護が必要になる在宅医療までの一貫した体制づくりが不可欠です。
最近では、病院と診療所が協力して「地域連携パス」を構築する動きも盛んになっています。
カテゴリー:医師
リハビリテーション科
介護予防の主役だが国の政策変換で現場が混乱
高齢化は、高齢者の骨折や、生活習慣病を増やし、また心臓疾患や脳血管疾患の増加をもたらしています。
これらの疾患は、羅患した人々の身体の機能を低下させ、寝たきりの状態にしてしまう可能性があります。
このような主に身体運動機能の低下した人々に対して機能回復の訓練を行うのがリハビリテーション科なのです。
ここでは、リハビリテーション専門の医師や看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、義肢装具士などがチームとなっています。
医師が患者の状態を精査し、将来的な機能回復の目標を立て、リハビリテーションの計画を作成します。
用いる方法は多岐にわたり、薬剤、運動、物理的療法などに加え、義肢や車椅子、装具などを用いて患者さんの社会復帰を助けます。
近年ではリハビリテーションの重要性が広く認識され、とくに最近では、発病し治療開始からなるべく早期にリハビリテーションを始めることでより効果的な結果が出ると認識されています。
脳卒中などの重症疾患でも、いったん急性期を脱すれば、状態を判断しながら、なるべく早期にリハビリを行うようになっています。
また、脳血管疾患による機能障害は、発症から180日が過ぎてしまうとリハビリテーションの効果が低くなってしまうともいわれ、診療報酬では、基本的に180日までが保険診療可能となっています。
リハビリテーションのニーズは、非常に高まっているのですが、リハビリテーションを専門とする医師はまだまだ少ないという矧犬があります。
また、国の政策もまだまだ遅れています。
診療報酬でリハビリテーションに力を入れているかと思えば、突然、制限をかけたり、療法別に診療報酬を設定していたものを突然、疾患別のリハビリテーションにするなど、国の政策急転換で現場は混乱ぎみです。
政策の方向性が定まることが期待されます。
カテゴリー:医師
医療機関が夜間救急車を受け入れにくい現状
救急車の受け入れ拒否に関するマスコミの報道を聞くたびに、自分が救急車で運ばれるようになったときに、どうなるのかと心配になることがあるのではないでしょうか。
さて、救急車が受け入れを断られた時間を思い出してもらえればと思います。
救急車の受け入れで断られている時間は、大抵の場合、夜間や土日祝日といった時間で起きていることがわかると思います。
これらの時間は、救急の受け入れを行う医療機関だとしても、通常の診療を行っている時間帯ではありません。
医療機関で救急を受け入れる場合は、救急隊から連結をもらった時点で、救急の当番医師や対応できそうな医師に確認します。
対応可能であれば、救急隊に病院へ運ぶように指示します。
ここで、皆さんに知ってほしいのは、たとえば、200ベッド以下の中小病院であれば、診療時間外となる夜間や士日祝日は、病院内に1名程度しか医師がいません。
場合によっては、2名いる場合もありますが、大抵は、1名が病棟の患者に対応し、救急の対応も行っています。
そのため受け入れが可能かどうかは、診療時間外の医師の専門が救急隊から連絡があった患者に対応できることと同時に、病棟の入院患者の急変などにせず手が空いている、ということになります。
近年の病院機能分化は、救急医療を提供している病院の急性期化が進行しています。
この急性期化は、不安定な患者が病棟に多い状態となります。
そのため、病棟の患者で手いっぱいで、救急を受け入れにくい状態につながっています。
さらに、病院経営が厳しい現在では、医療従事者を過剰に配置することもできないという悪循環となっています。
救急の崩壊は、簡単に治癒できない「病気」であることは間違いありません。
カテゴリー:医師
麻酔科
様々な手術の安全をサポートする
麻酔科の主な仕事は、手術が必要な患者に対して手術麻酔を行うことです。
麻酔による痛みの管理で、患者は苦痛がなく安全に手術を受けることができます。
また、痛みを緩和する外来をぺイン外来としても行っています。
麻酔には、人工呼吸器を用い呼吸を人工的に補助する全身麻酔と、部分的に麻酔をかける局所麻酔の2種類があります。
全身麻酔では患者は手術中寝ている状態です。
局所麻酔では手術部位に麻酔がかかるだけなので、患者は手術中、目が覚めた状態です。
全身麻酔は大きな手術、局所麻酔は比較的小さな手術に行われます。
手術中は体にさまざまな刺激、ストレスがかかります。
また予想外の出血や血圧低下など、生命に直結する緊急事態も起こることがあります。
麻酔科医の仕事の大部分は手術中の諸問題を適切に管理して、手術が安全に行われるのをサポートすることなのです。
また、病院では一般外科だけでなく、産婦人科、整形外科、耳鼻咽喉科、脳神経外科などの外科系診療科が手術を行うので、毎即手術が円滑に行われるように手術室のマネージメントがとても大事な仕事になります。
さらに、救急病院などでは夜中に急に手術が必要なこともあり、夜間も緊急手術に備えて待機することもあります。
手術中の麻酔管理以夕机こも、麻酔科医はさまざまな場面で活躍しています。
ICU(集中治療室)では、血圧低下や自発呼吸ができないなど、重症患者の全身管理を行い治療をサポートしたり、また、がん患者の緩和ケアなど疼痛管理でも活躍しています。
近年、麻酔科医は病院内で不足する状況にあります。
この問題を解決するために麻酔科医を派遣する体制をとるグループも出現して射ます。
手術の安全には、これからも麻酔科医のサポートが重要であることは間違いありません。
麻酔不足の原因
定数の原因
大学・一般病院とも定数の2/3しか満たしていない。
不足分は研修医や外科系医師でカバー。
一般病院での全身麻酔の30%は外科系医師が実施。
守備範囲の拡大
ICU、救急医療、ペインクリニック、緩和医療など、本来の手術麻酔以外の仕事量が増え、忙しすぎる状況を生む。
給料が安い
「やりがいのある仕事」の割には待遇が悪い。市場原理が働かず、職場への魅力を失う。-----
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カテゴリー:医師
放射線科
診断機器の進歩でがん早期発見の有力な武器に
放射線科は、特定の疾患に対して診療をするという診療科ではありません。
放射線科は内科や外科、その他の診療科と協調して放射線診断や放射線治療を実施します。
病院内での位置づけとしては、診療科横断的な中央診療部門といえます。
放射線科は、大きく画像診断部門と放射線治療部門の2つに分けられます。
放射線診断部門では、診療放射線技師が撮影した×線画像や、CT、MRIなどの断層写真を読影し、患者の臨床症状と合わせて撮影した部位の状態をレポートします。
このレポートを元に、CTやMRIなどをオーダーした他科の医師は、診断や治療に役立てます。
放射線科専門医が読影をしたかどうかで画像検査の結果が遣ってくるのです。
画像診断の質は、撮影する医療機器の性能と放射線科の医師により支えられているのです。
また施設によっては最近ではPET(ポジトロンCT)というアイソトープを用いる核医学診断により、がん細胞の機能的な側面に注目したがんの診断も行っています。
一方、放射線治療部門は、主にがんに対して手術や抗がん剤による化学療法と併用で放射線治療を行います。
放射線治療では、内科や外科などの医師からの依頼により、放射線科医が患者の状態を勘案しながら放射線治療の計画を立てます。
最近では、がんに限局して放射線治療を行う定位放射線治療も可能となっています。
また近年では、血管撮影の際に用いるカテーテルを治療に応用するなど、放射線科の医師と他科の医師との協力により、より患者の身体に侵襲の低い治療方法が開発されているのです。
このように、放射線治療はがんに対する非常に有用な治療法となっています。
また放射線治療の機器も年々進化をとげているため、放射線治療の安全管理も重要な課題となっています。
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泌尿器科
腎臓から尿道までをカバーする外科系の診療科
泌尿器科は、主に尿をつくり排出する器官を診療する外科系の診療科で、対象器官は、腎臓、尿管、膀胱、尿道などです。
また男性生殖器の前立腺や精巣なども泌尿器科の対象となります。
疾患としては、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣腫瘍などの悪性腫瘍や、前立腺炎などの尿路感染症、また排尿障害などの原因となる前立腺肥大症、激しい痛みを引き起こす尿路結石などがあります。
泌尿器科で一般的に行われる検査には尿検査、血液検査、×線検査、MRl検査、超音波検査、内視鏡検査などがあります。
尿検査では尿の中に蛋白質や糖、血液などが含まれているかどうかを短時間に確認でき、それにより腎臓の病気や糖尿病などのスクリーニングができます。
血液検査では、PSA(前立腺特異抗原)という腫瘍マーカーによって前立腺がんの早期発見が可能となってきました。
×線検査には単純撮影のほかにCTもあり、疾患の詳細な診断ができますが、さらに核磁気の共鳴を利用したMRi検査では一層精密な診断が可能です。
また超音波検査では、体の表面に超音波機器を当てるだけで、痛みを伴うことなく腎臓の腫瘍や袋状の嚢胞、尿路の結石などを診断できます。
内視鏡検査では尿道、膀胱などを内部から観察します。
さらに内視鏡を用いることで、前立腺肥大症などの手術も開腹手術をすることなく行うことが可能となりました。
近年の進歩は、内視鏡の一種である腹腔鏡による低侵襲性の手術です。
従来のように開腹することなく、体の数か所の小さい傷口から腹腔鏡を入れるだけで腎臓、前立腺の手術が可能になったのです。
腹腔鏡下手術は今後も増えていくと考えられます。
泌尿器科ではこれらの手術のほかにも、勢性機能障害、男性更年期障害、男性不妊症、また小児の泌尿器科疾患などの診療も対象としています。
排尿器系と尿路結石
腎臓から暴行までは男女とも同じつくりですが、尿道は女性が短い点が違います。
結石の多くは腎盂でつくられ、これが尿管や尿道で詰まると激しい痛みを起こします。
前立腺がんとの鑑別
日本でも前立腺がん死亡数が増加傾向です。
腫瘍マーカーである前立腺特異抗原(PSA)の値では、10ng/ml以上はがんの可能性あり、4以下(厳密には2.5以下)は正常とされています。
カテゴリー:医師
皮膚科
アトピーの治療から美容のための治療まで
身体全体を覆っている皮膚と爪や毛髪の病気を対象としているのが皮膚科です。
皮膚科は外科系に分類され、手術も積極的に行います。
近年では、アトピー性皮膚炎や水虫などの皮膚感染症、床ずれなどの創傷ケア、皮膚の腫瘍などの治療や、しみやしわに対する美容などで注目が集まっています。
皮膚科による診療は、外来が中心です。
簡単な手術も外来で行いますが、近年では、入院の寝たきり患者の裾瘡(床ずれ)の創傷ケアも行います。
病院の経営上、患者の在院日数を短縮する必要があるため、在院日数が延びがちな福癌の予防や治療は重要な課題となっています。
アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が出現し増悪・寛解を繰り返す皮膚科の難治疾患です。
治療の主体はステロイド外用薬です。
前述の創傷ケアは、糖尿病などによる足の潰瘍に対するフットケアも行います。
皮膚の腫瘍では、ほくろやいぼなどを除去する日帰りの小手術を行います。
また、巻き爪(陥入爪)に対する手術やワイヤーによる矯正も行います。
ほくろやいぼは形成外科、巻き爪は整形外科でも治療を行っています。
近年は創傷ケアに関する治療も進み、傷の感染症を防ぎ、湿潤環境を保つシート状のドレッシング材が開発され、傷の治りが早くなっています。
医療機関では、創傷ケアセンターを設けてチームで治りにくい傷を治療していく態勢をとっているところも増加してきました。
さらに、美容皮膚科という分野も登場してきていて、ここでは、しみやしわをとることや、美容が気になる人向けのスキンケアを中心に診療を行います。
今では、医療機関がつくった化粧品が売れるということもあたり前となりつつあります。
皮膚科も機能分化し、これからは美容の分野でどんどん進化するのではないでしょうか。-----
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形成外科と美容外科
外面的治療で内面的苦脳を取り除く
形成外科は治療目的の「再建外科」と見栄えを整える「美容外科」に分けられます。
再建外科では、悪性腫瘍などで失われた乳房や頭頸部の手術後の再建、また先天性の奇形に対して外面的に正常な状態に近づけることや機能回復を行います。
また、若い女性の手術痕を残さないための縫合も行います。
形成外科医は再建手術のプロフェッショナルなのです。
一方で美容外科では、疾患ではない、いわゆる美容のための手術などを行います。
つまり、病的な寄形や身体の変形は再建外科、顔や身体の形でコンプレックスを解消するためには美容外科といった大まかな分類がされています。
医療法上では、診療科として形成外科や美容外科を標模することが認められています。
この標榜の違いは、形成外科は再建外科を中心とした保険診療を行っている場合が多く、美容外科は保険診療以外の自費による診療が行われている場合が多いのです。
しかし、近年の病院経営の厳しさから、形成外科でも、レーザーによる皮膚のシミ取りなどを行ったり、巻き爪のワイヤーによる矯正といった自費診療を行う場合も多くなっています。
皮膚移植など従来は一般外科医が行っていた外科的手技も、現在ではより高度で専門特化した形成外科医が行っています。
外面的に治療することで患者の内面的な悩みを取り除くのが形成外科医です。
アンチエイジングや美容への社会的ニーズに加え医療機関経営の厳しさなどの事情からも、これからも再建外科や美容外科へのニーズは高くなっていくことは間違いありません。-----
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カテゴリー:医師
病院の組織
経営体としての組織と治療集団としての組織
病院の組織は、病院運営の組織と治療を行うときの組織で変わります。
病院全体の組織を単純化すると下のようになります(民間病院である医療法人の例)。

ここでは、院長の上に理事会があります。
この理事会は、株式会社でいう取締役会にあたります。
また、理事会には株式会社でいう会長的な存在として理事長も存在します。
この理事会の組織は、主に病院の経営上の組織となります。
下は診療上の組織です。

診療は、患者の治療や救命が中心に行われ、医師の指示により診療がスタートし、看護師やコメディカルが医師の指示を基に治療や検査を開始します。
実は、経営上の組織は、資格別に分かれていますが、治療のときには、組織を横断してやりとりが行われるため病院職員も錯覚を起こしやすいのです。
さて、2つの組織図を見ると、病院はどちらの組織が優先されるのかわからなくなるかもしれません。
ただ、医療機関や医療従事者には、患者を救い健康体にしようという世界共通の理念があります。
一方で、病院運営の組織と医療従事者の間で利害が一致しないこともあります。
病院は経営活動を行い、医療機関として存続していかなければなりません。
これに対し病院の従業員である医師をはじめ医療従事者は、ときには必ずしも病院の利益につながらない治療が必要な場合もあり、病院の経営活動と利害が相反することもあります。
それは、病院の経営方針以前の問題として、教育課程や国家資格を取得することにより、その職種(国家資格)の理念を遵守するという倫理的な義務感からくるものです。
いまの日本の医療現場は、治療が優先され、医療従事者個々の裁量に任されているため、のびのびと治療ができるのです。
これが病院なのです。
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耳鼻咽喉科
中耳炎からアレルギーまで広範囲の病気をカバー
耳・鼻・喉・口の病気は、耳鼻咽喉科が担当します。
また、耳や鼻、口は、感覚器ともいわれ感覚器に関する診療も行われています。
耳鼻咽喉科の対象となる領域は、食道や気管支などの消化器や呼吸器との境界域に対しても治療を行います。
また、脳神経系の疾患として聴神経腫瘍といった疾患にも脳神経外科と対応することもあります。
さらに、失語症などにも対応し、音声・言語に対する治療も行います。
耳鼻咽喉科では、目、脳、歯以外であれば頭頸部の疾患はほぼすべてカバーします。
守備範囲が広いため、扱う疾患も多彩です。
また小児の患者も多く、外来はいつも混雑しています。
耳鼻咽喉科の医師は、額帯鏡といった光を集め、喉などの暗く深い患部を照らすための道具を用います。
近年では、光ファイバーにより患部を照らし患部を観察し、CDDカメラを用いて患者に病気の状態を説明する医療機関も増加してきました。
耳鼻咽喉科は、外科系の診療科でもあるため手術も盛んに行っています。
鼓膜を切開し中耳炎の排膿を行ったり、鼓膜やあぶみ骨に対する手術により難聴を改善したり、扁桃肥大に対する扁桃摘出、内視鏡を使った手術、声を改善する声帯手術、喉頭がんなど頭頸部がんの摘出手術などを行います。
また近年では人工内耳埋め込み手術という高度な手術や、体に負担の少ない低侵襲手術も行われます。
耳のあぶみ骨は人間の骨の中で一番小さいので、繊細で高度な技術が必要になることも耳鼻咽喉科の手術の特徴です。
そういった意味では、耳鼻咽喉科の医師は、器用な医師が多いのかもしれません。
携帯音楽プレーヤーによる難聴や激辛食品による味覚障害、噴覚の障害など、感覚器の障害は増加傾向にあるようです。
また、スギ花粉に代表されるアレルギー性鼻炎は、年々増加しています。
耳鼻咽喉科はますます必要な診療科となるでしょう。
カテゴリー:医師
消化器系診療科
主に食道、胃、十二指腸、小腸、大腸などの診療を行う
消化器系診療科は、内科系では消化器内科や胃腸内科、肝臓内科など、また外科系では消化器外科や腹部外科、肛門外科、肝臓外科、食道外科、膵臓外科などとして標榜されています。
消化器系診療科は消化管としての食道、胃、十二指腸、小腸、大腸や肝臓、胆嚢、膵臓などの疾病について専門的に検査し診断や治療を行います。
近年の食習慣の変化は、日本人の消化器系疾患の増加をまねいています。
消化管系の疾患は、胃潰瘍や胃がん、十二指腸潰瘍、大腸がんなどの病気がよく聞かれます。
これら消化管系の疾患には、内科では主にバリウムなどを使用したX線検査や内視鏡による検査や治療が行われます。
消化管は、食道、胃、十二指腸の上部消化管と小腸、大腸、直腸の下部消化管に分かれます。
そして、これら消化管に対する内視鏡検査を上部消化管内視鏡検査と下部消化管内視鏡検査といいます。
一方、肝臓では、血液肝機能検査、超音波検査(エコー検査)や、針により肝臓の組織を採取する方法(生検)で診断をします。
また治療においては、近年では内視鏡を使った内科的な治療法が進歩しています。
早期胃がんなどは内視鏡的に胃粘膜を切除する治療法(EMR)や、大腸では内視鏡的にポリープを切除する方法(ポリペクトミー)などが行われます。
一方、消化器外科では食道がん、胃がん、大腸がん、直腸がん、肝臓がん、膵臓がん、胆石などに対して手術を行います。
従来の開腹手術のみならず、近年ではより体への負担が少ない縮小手術、腹腔鏡手術などが行われます。
手術法や技術の進歩により患者にとってより生活の質(QOL)の高い治療法が行われるようになっているのです。
上部消化管内視鏡
内視鏡は、ハイビジョンによる映像や顕微鏡の搭載、内視鏡の最中の診断など技術革新が進んでいます。
一方で、カプセル内視鏡などあらたな消化管の検査技術の開発も進んでいます。
今後の消化器系診療科の診断技術に期待がもたれます。
臓器別の専門分化と内科・外科の総合化
消化器系診療科では、近年は臓器別の専門分化が進んでいます。
上部消化管を専門にした医師や下部消化管を専門にした医師、肝臓や胆嚢などを専門にした医師などに細分化されているのです。
専門外来として胃腸科や肝臓内科などを院内で標模している医療機関も増えてきました。
肝臓内科は、生活習慣病としての脂肪肝や急性肝炎、慢性肝炎、アルコール性肝障害、肝硬変、肝臓がんなどを対象疾患としています。
診療技術の進歩としては、内視鏡の進化により、内視鏡検査中にがんの有無を判定し、その場で切り取ることができるようになったり(EMR)、カプセル内視鏡という飲む内視鏡の開発が進み、小腸の病変に対する検査も行えるようになってきました。
また、肝臓がんの治療は、これまで外科的肝切除や経度的エタノール注入療法、肝動脈塞栓療法が一般的でしたが、新たな治療法としてラジオ波焼灼術という腫瘍が小さく数も少ない場合に適応となる治療法なども行われています。
このように、一口に消化器系診療科といっても、その内部では臓器別の専門特化が進み、それに伴い新たな検査や治療技術が年々生まれているのです。
一方で近年では、細分化から統合化へ進む動きもあります。
内科や外科を統合して1つの消化器病センターとして診療する病院も増えているのです。
一人の患者に対して消化器内科と消化器外科が共同で診療にあたることでより効率的で質の高い医療を目指しています。
臓器別の専門特化と内科、外科の統合化、この2つの流れが消化器系診療科では進んでいるのです。
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大学医学部研修制度の長所と短所
研修医とは文字どおり医師免許を取得したばかりの新米医師を指し、通常2、3年の期間、指導医のもとで医療行為の研修を積みます。
この研修医のあり方は2004年の臨床研修制度の必修化で、大きく変わりました。
法的に臨床研修指定病院で研修を修了することが義務化されたのです。
この結果、卒業直後の医師が大学病院の医局に直接入らなくなり、大学病院から研修医が激減しました。
04年以前は、学生時代にすでに進みたい専門科が決まっていた場合、卒業と同時にその専用の医局に入ることができました。
その新人医師は、研修医であると同時に医局員として大学病院やその関連病院で研修していたわけです。
この04年以前の研修制度のメリットは、研修医の立場からは卒業後早い段階から専門技術を身につけることが可能となり、また医局への入局年次も早いため、医局内でのポストも早い時点で獲得できることが可能でした。
また医局としても、毎年若い医師が労働として入ってくるので、大学病院での病棟業務や雑用、または関連病院に派遣することが可能であり、そのため両者にメリットがありました。
一方でこのシステムのデメリットとしては、早い時期から専門性を追求するあまり、いわゆるプライマリーケアといわれる医師として患者を総合的に診る能力に欠けてしまう欠点がありました。
そのような反省から04年に臨床研修が必修化され、内科、外科、救急、小児科、産婦人科、精神科、地域保健・医療といったプライマリーケアに関してはすべての新人医師が研修を受けることが制度化されました。
臨床研修制度の流れ
| 1968 | インターン制度廃止。臨床研修制度発足 |
| 1980〜93 | 同研修制度への見直し(ローテート方式、総合診療方式の導入、病院群による研修病院の指定など) |
| 1994 | 臨床研修の努力規定から義務化への動き |
| 2000 | 医師法の改定 − 臨床研修が必修となる |
| 2004 | 新臨床研修制度がスタート |
| 2005 | 最高裁の判決 − 研修医は労働基準法に定める労働者にあたる(これにより、研修医に対する最低賃金の保障など待遇の改善が行われるようになる) |
カテゴリー:医師


