新たな取り組み − 後期高齢者医療制度について
都道府県が医療運営に自己責任を問われる時代
2008年から後期高齢者医療制度が始まりました。
この制度は、日本の医療政策の将来を見すえるうえで重要な制度です。
ただ単に75歳以上の老人を対象とした医療制度ではなく、(1)予防医療、(2)都道府県の医療費格差解消や医療費負担のあり方、(3)保険徴収リスクの都道府県への移転、などの検討を目的とした制度ともいえます。
(1)予防医療とは、特定健診・特定保健指導のことです。
メタボリック・シンドロームはさまざまな生活習慣病を将来的に引き起こす危険から、これらの予防と、生活習慣病予備軍に対する運動や食事などを中心に指導していくことを目的としています。
(2)都道府県の医療費格差解消については、都道府県には医療費の格差があります。
そのため、都道府県に後期高齢者の医療費支払いの権限を委譲することで都道府県間での競争の促進を目的としています。
各都道府県が医療費を抑制しなければ、徴収する保険料にも差がでるようになります。
さらに、将来的には診療報酬についても都道府県単位でローカルルールを定めることも可能としているため、医療費抑制のさまざまな取り組みが展開されることも期待されます。
現在でも後期高齢者医療制度にDPC(診断群分類に基づく包括支払い方式)が導入されるといった話もあります。
まさに、医療費の支払いについても実験の場なのです。
また、(3)保険徴収リスクの都道府県への移転は、各都道府県が保険医療を徴収しなければなりません。
支払う保険給付が増加すれば保険料徴収額が増えることや、保険料の徴収がうまくいかないと保険利用を上げなければならないことなど、広域連合が破綻する可能性もあります。
これからは、都道府県も医療の運営に自己責任が問われる時代となるのです。
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