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日本の医療費について
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新たな取り組み − 後期高齢者医療制度について
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医療崩壊への処方せん
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ジェネリック医薬品について
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医療の質を決めるのは医療従事者
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特定検診・特定保健指導の成績次第
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混合診療は賛否両論
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自由開業医制度とフリーアクセス
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国民皆保険−アメリカとの比較
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診療報酬とは?
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医療費の支払い方式
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医療のおかれている現状
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日本の医療費について
日本の医療費が増加中であるといわれています。
国民医療費も30兆円を超え、2006年には、33兆円を超えたともいわれています。
この医療費の増加を抑えないと日本の借金がどんどん増えるかのような報道に、医療費を抑制する必要性があるかとの錯覚におちいります。
この医療費の増加は、日本政府にタイミングよく、健康保険料の増額、介護保険や後期高齢者医療保険、消費税率の上げなどのよい言い訳になっています。
実質的なこれらの保険などの増額は、国民保険という名の税金として徴収するための口実なのかもしれません。
ここで、国民医療費について説明します。
国民医療費は、病院や診療所の保険診療にかかわる費用、訪問看護の費用、薬局の保険給付される費用や、他施術所の保険診療分などとされています。
国民医療費の範囲に入らない費用は、正常妊娠・分娩や健康診断、人間ドック、介護保険が適用されるサービス、薬局で販売する一般薬となっています。
さて、日本の医療費が伸びている状況は、国民医療費として厚生労働省から毎年公表されています。
国民所得(GDP)比はOECDヘルスデータ2007によると、加盟国中22位となっています。
医師数は、人口千人当たりの比較でOECDの平均3人に対し日本は2名です。
CTやMRIの普及はOECD加盟国の平均の4倍、平均在院日数は加盟国の平均の3倍となっています。
日本は、医師が少ないのを機器や設備で補っているかのようです。
カテゴリー:日本の医療の現状と課題
新たな取り組み − 後期高齢者医療制度について
都道府県が医療運営に自己責任を問われる時代
2008年から後期高齢者医療制度が始まりました。
この制度は、日本の医療政策の将来を見すえるうえで重要な制度です。
ただ単に75歳以上の老人を対象とした医療制度ではなく、(1)予防医療、(2)都道府県の医療費格差解消や医療費負担のあり方、(3)保険徴収リスクの都道府県への移転、などの検討を目的とした制度ともいえます。
(1)予防医療とは、特定健診・特定保健指導のことです。
メタボリック・シンドロームはさまざまな生活習慣病を将来的に引き起こす危険から、これらの予防と、生活習慣病予備軍に対する運動や食事などを中心に指導していくことを目的としています。
(2)都道府県の医療費格差解消については、都道府県には医療費の格差があります。
そのため、都道府県に後期高齢者の医療費支払いの権限を委譲することで都道府県間での競争の促進を目的としています。
各都道府県が医療費を抑制しなければ、徴収する保険料にも差がでるようになります。
さらに、将来的には診療報酬についても都道府県単位でローカルルールを定めることも可能としているため、医療費抑制のさまざまな取り組みが展開されることも期待されます。
現在でも後期高齢者医療制度にDPC(診断群分類に基づく包括支払い方式)が導入されるといった話もあります。
まさに、医療費の支払いについても実験の場なのです。
また、(3)保険徴収リスクの都道府県への移転は、各都道府県が保険医療を徴収しなければなりません。
支払う保険給付が増加すれば保険料徴収額が増えることや、保険料の徴収がうまくいかないと保険利用を上げなければならないことなど、広域連合が破綻する可能性もあります。
これからは、都道府県も医療の運営に自己責任が問われる時代となるのです。
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医療崩壊への処方せん
医療崩壊といわれる現象が起き、病院勤務医の過酷な勤務実態や救急車の受け入れの困難な状況がどんどん明らかとなっています。
日本では一般に、医療が受けられることはあたり前と思われていますが、現実には、医療を受けることができず不幸なことが起きたり、公立医療機関の統廃合により医療機関受診のために1時間以上もバスに揺られなければアクセスできないという事態が起こっています。
新医師臨床研修制度により始まった医療崩壊とよばれる現象は、まだまだ始まったばかりの序章に過ぎないのです。
自治体病院改革という制度が平成20年から始まりました。
この自治体病院改革は、医療崩壊の第2幕となると予想されています。
地方の地域医療を担っているのは自治体病院です。
救急医療やへき地医療、がんなどの専門医療に対して、自治体病院が関与している率が非常に高いことが知られています。
実は、これら救急医療などは、病院経営の採算を合わせることが難しく、民間病院では敬遠されがちな医療となっています。
このような不採算の医療を担う自治体病院に経営効率を迫るのが、自治体病院改革の趣旨となっています。
自治体病院のほとんどは、赤字のため経営改善が急務であることは間違いありません。
しかし、自治体病院の診療を担う医師は、民間病院の勤務医と比較して給与も低く設定されています。
このような状況で、自治体病院の改革を行うことは、自治体病院に従事する医師のやる気を奪う可能性もあります。
これから数年で地域医療の崩壊が加速する可能性は否めません。
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ジェネリック医薬品について
特許機関の切れたコピー商品
ジェネリック医薬品という言葉も聞き慣れてきたと思います。
ジェネリック医薬品とは、先発医薬品の成分の特許がきれ、コピー製品をつくることができるようになり、このコピー医薬品のことをジェネリック医薬品といいます。
実際には、完全にコピーされているわけではなく、ジェネリック医薬品メーカーは、成分は同じでも配合する物質(涛加割)や製造方法がメーカーにより違います。
ジェネリック医薬品という名前の由来は、薬剤の成分名(一般名、表)のことをジェネリックネームということからです。
日本でジェネリック医薬品の導入が進まない理由はいくつかあります。
日本では、医師が自由に処方できます。
そのため、わざわざ使い慣れている薬を変えることは、処方箋が医薬品の商品名で書かれる日本では医療事故のもととなる危険もあります。
また、患者の立場では、いま有効である薬を、成分が同じであり価格が安いという理由で変えることも勇気のいることです。
医師や患者の立場からすると、重篤な病気の薬であればあるほど、薬を変更する勇気が必要であることは間違いありません。
アメリカでは、ジェネリック医薬品が市場に出回った時点で、先発品はジェネリック医薬品に大幅に入れ替わります。
それは、保険会社の立場が強く、いわば強引に変更されてしまうからです。
当然、変更しない場合は、保険でカバーされなくなります。
日本では、保険者の機能が強くないために、処方と服薬の選択は、保険者にありません。
これから、保険者機能が強化されるとジェネリック医薬品の使用が強制されることも考えられます。
医療の安全を考えると医師は、使い慣れた先発品を使用したいという思いがありますが、日本の医療財政にはその余裕がないのです。
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医療の質を決めるのは医療従事者
医療機関って何?
医療機関といわれると、すぐ病院を思い浮かべる人が多いと思います。
また、診療をしているクリニックについても「病院」であると考えている人も多いのではないでしょうか。
「病院」とは、医療法で医業や歯科医業を行う場所であり、20人以上の患者を入院させるための施設と定義されています。
クリニックなどの「診療所」についても、医業や歯科医業を行う場所で19人以下の患者を入院させるための施設と定義されています。
さらに、「助産所」や「介護老人保健施設」、「調剤を実施する薬局」なども医療機関とされています。
医療機関は、医療を提供する施設です。
また、医療機関の構成要素は、医療の質を決める3要素となっています。
医療の質で一番重要なのは、医療従事者です。
診断や治療、看護をするのも人なのです。
もし、診断が間違っていたらと考えるとゾッとします。
次に重要なのはハードウェアです。
最新鋭のレントゲン機器とむかしのレントゲン機器では病巣を見つけるのに雲泥の差があります。
3番目に重要視されているのはソフトウェアです。
医療技術の進歩や効率的で質の高い医療を提供するには、よいソフトウェアがないといけません。
医療機関も医療安全や最新の医療技術へのキャッチアップには、組織としての教育というソフトウェアが充実していなければならないのです。
医療機関とは、病院に代表される医療を提供する組織です。
この医療機関は、医療従事者の種類やさまざまな医療機器、ソフトウェアの組み方により無限大の可能性を有しています。
この無限大の組み合わせから医療機関の1つ1つが存在しているのです。
余談になりますが、医療機関には医師がいて初めて病気の治療が始まるということが、どの医療機関に対しても共通事項なのです。
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特定検診・特定保健指導の成績次第
後期高齢者医療制度は75歳以上の医療制度です。
40歳〜74歳が対象となる特定健診と特定保健指導がなぜ後期高齢者医療制度に関連があるのでしょうか?
理由は、やはり医療財源にあります。
生活習慣病の国民医療費に占める割合が2004年には国民医療費の1/3と約10兆円にまで成長しています。
また、04年の死因の61%が生活習慣病によるものとされています。
さらに、以前から問題となっていたことがあります。
高齢者医療に対する保険者の拠出金に対する不満がありました。
後期高齢者医療制度は、想定される医療給付約10兆円に対して、公費が5割、保険者による拠出金が4割、後期高齢者の保険料1割としています。
健康保険組合が4割を拠出することになっているということは、被用者保険や国民保険の現役世代が4割を支払うことになっているのです。
しかし、後期高齢者医療制度では保険者の一律負担ではなく、特定検診・特定保健指導で成績のよい保険者には、アメを用意しました。
今後は各保険者が特定健診・特定保健指導の成果により拠出金が決められることになります。
もし、拠出金が高額になれば、被保険者の保険料は高くなります。
予防医療に力を入れ頑張った組織は、病気も予防でき、医療費が安くなるというしくみとなっているのです。
今後この制度に期待がもたれています。
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混合診療は賛否両論
最近、混合診療の議論が行われ、混合診療を導入することは医療機関の経営や患者にとってもよいことだという議論がされています。
混合診療とは、医療保険と自費による診療を同時に行うことです。
現在では、自費での診療が行われると保険が給付できない制度となっているのです。
そのため、日本の医療は、柔軟性がなく、保険収載される前の治療や薬剤が使えないという声があるのは確かです。
そこで、混合診療を解禁すれば、新しい治療などがどんどん導入でき、医療にとって明るい未来が到来するかのように思われます。
しかし違う視点からみると、ある手術で、通常医師1人と看護師数人で手術をしていたとします。
オプションで、医師や看護師を増員することができるとして、医療機関からどうしますかと聞かれたら、患者の立場ではどうするでしょうか。
また、入院し、治療しているときに、効果の怪しい健康食品やサプリメントを勧められたらどうするでしょうか。
このような悪質な医療機関が現れないことを望みますが、医療機関も多種多様です。
どうなるかはわかりません。
混合診療に対して別の見方をすると、治療に優先順位をつけ、軽度な病気は診察料以外を保険の適応外にし、重症度の高い病気だけを保険の適応にすることも可能となります。
混合診療ではこのような運用も可能となります。
実際、アメリカのオレゴン州では、保険適応外の疾病と適応となる疾病の狭間で悲劇が起きたということもあります。
保険の適応をめぐるこのような悲劇を起こさないためにも丁寧な議論が必要です。
混合診療の議論は、始まったばかりですが、結論を急がないことが将来の日本のよい医療へと導くことは間違いありません。
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自由開業医制度とフリーアクセス
日本の自由さと諸外国との比較
日本では、自由開業医制とフリーアクセスという制度があります。
医師は、自由に開業してよいという制度です。
ドイツでは、保険医が登録制であるため、保険医の空きがない地域では、保険医療を行えないということがあります。
日本では、基本的に開業により保険医としても登録されます。
フリーアクセスは、日本の医療制度に慣れている国民にとってあたり前のことです。
しかし、イギリスでは、医療はGP(general Practitioner)とよばれる家庭医によりコントロールされています。
このコントロールの意味は、国民は特定の家庭医に登録し、病気になったら、まずはこの家庭医にかかります。
家庭医の了承なしには、原則として病院に直接かかってはいけないルールになっています。
アメリカは保険会社がコントロールしています。
自分の加入している保険会社が契約している医師や医療機関でなければかかることはできません。
また、診療についても保険により制限がありますので、特殊な治療や薬を使う場合は、医師が保険会社と交渉を行いOKが出た時点で使います。
OKが出ない場合は、患者が自費で支払うか治療しないかの選択になります。
一方で日本は、1つの医療機関で診療を受け、気に入らなければ違う医療機関で同じ病気に対して治療を受けることもできるのです。
保険証1枚で好きな医療機関を受診できる制度は、日本特有の制度で、世界的にも評価されています。
諸外国の状況では、好きな医療機関を受診するには、高額な保険に加入するか、別途に高額の支払いをする必要があります。
そのようなことを考えると、日本の医療制度は非常に優れたものではないでしょうか。
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国民皆保険−アメリカとの比較
日本の医療の特徴というと世界各国の医療政策研究者の間で出る言葉が、国民皆保険です。
日本の国籍をもち日本に住む限りは、何らかの公的な医療保険に属します。
たとえば、会社員であれば会社の健康保険組合などの被用者保険、自営業者などであれば、市区町村などの国民健康保険といった形です。
また、職や収入がない人であれば、生活保護により医療費もカバーされます。
このことは日本ではあたり前であるために、有り難味を感じません。
たとえばアメリカでは、国民が医療保険に加入するかどうかも自己責任です。
そのため、医療保険に加入しないという選択もできるため、無保険者の増加が社会問題となっています(いま全国民の約2割といわれる)。
さらに、この無保険者の問題は、無保険者が医療機関に事故や重篤な病気で治療を受けると、医療費により自己破産するという事態にもなっています。
アメリカの保険事情は、公的な医療保険は、高齢者向けのメディケアと低所得者向けのメディケイドの2種類であり、残りは、企業が支払ってくれる民間の医療保険や個人が加入する民間の医療保険となります。
このアメリカの医療保険は、市場原理に委ねられているため、よい面と悪い面もあります。
よい面は、柔軟に新しい医療技術がどんどんカバーされていくことです。
悪い面として、保険によって、医療のアクセスやカバーされる医療技術に差があります。
簡単に説明すると、高額な医療保険には柔軟性があるが、安価な医療保険は、診療に制限があり最低限の医療しか受けられないことも珍しくありません。
ある映画シーンのような、交通事故で気を失って救急車で医療機関に運ばれたのに、保険会社から救急車に乗る前に許可を取らなかったことを怒られるなんていうことも現実の問題なのです。
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診療報酬とは?
日本の医療は、厚生労働省という国の機関が細かい規制や価格などをコントロールしています。
医療に関する規制などは、医療法の改正や通達を出し、医療の方向性や価格については診療報酬という医療行為の価格表をもってコントロールしています。
この医療行為の価格表は、厚生労働省が医療の方向性を経済誘導するのに効果を発揮します。
近年では、看護師不足が起きた原因が、この診療報酬による手厚い看護配置への高評価であり、このことにより医療機関間の看護師の争奪戦が起きたのです。
そのくらい、診療報酬のコントロールは医療界への影響があるのです。
さて、診療報酬は、診療行為1つ1つに細かく価格設定がなされています。
実際には、点数表示になっています。
点数は、1点10円に置き換えることが出来ます。
診療行為に対する価格は、初めての診察(初診料)○○点、CTの撮影(CT撮影料とCT読影料)○○点と言った感じになっています。
この診療行為1つ1つを積み上げて医療費として請求するのが医療事務の仕事であり、医療費の支払い方式としては出来高方式といわれています。
支払い方式には、出来高方式のほかに包括支払い方式や人頭払い方式といわれるものもあります。
いま日本の診療報酬は、出来高支払い方式から疾病別の包括支払い方式へ移行しています。
出来高支払い方式は、1つ1つの医療行為に制限がないため医療の質は高くなりがちな反面、無駄な医療も提供されてしまうこともあります。
包括支払い方式は、医療費抑制に効果がある反面、医療の質が低下することもあります。
これからの日本医療は、どちらの支払い方式になるのか重要な時期に差しかかっています。
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医療費の支払い方式
最近、日本の医療費の患者負担が3割で統一され、高いという話もあります。
この医療保険の患者負担を払うことがあたり前だと思います。
医療保険の支払い方式については、以下で説明します。
支払い方式は、現物給付と現金給付という方式があります。
現物給付は、医療を患者が現物(医療サービス)で受け取り、保険会社から医療機関に費用の支払いをします。
現金給付は、医療を受けたときにいったん患者が医療費の代金を支払い、後で保険会社から患者に還付されることです。
日本では現物給付の方式がとられているため、患者の窓口負担が増加しているといっても、アメリカのように退院時に数万ドルの医療費の全額請求がくることはないのです。
さらに、日本の医療行為の価格は厚生労働省が診療報酬で決めているため、治療価格を病院独自に決めることはできないのです。
これまで、診療報酬と医療機関への医療費の支払いは、国全体で管理してきました。
しかし、地方分権や都道府県における医療費の格差により、地方自治体が保険料を決め、保険料を集め、給付していくという試みが行われるようになってきました。
じつは、後期高齢者医療制度は、この医療の保険財源や診療報酬について地方自治体がコントロールしていけるように制度設計がされています。
後期高齢者制度により医療行政の地方分権が成功すれば、他の世代の医療行政も地方分権化されることが予想されます。
医療は地方分権化し、最終的には各地方自治体による医療政策の策定と行政を行うことにより、各地方に合ったきめの細かい医療が提供できるのかもしれません。
今後は、医療を受ける側と医療を提供する側の地域の実情に合った医療政策が展開されることが予想されます。
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医療のおかれている現状
医療財政の破綻や医療事故、医事訴訟、医師不足、看護師不足など、最近の医療にはあまりよい話がありません。
その代表例は2006年4月の診療報酬改定以降の病院経営にみられます。
この改定は、医療財政の悪化を阻止するための緊縮財政型へ誘導する医療政策で、医療費の削減と医療機関に対する選択と集中を迫るものです。
いま病院は、医療政策により強引に業界再編を迫られているのです。
また、福島県の某病院で出産中の大量出血で妊婦が死亡し、医師が逮捕される事件がありました。
この医師逮捕は、産科医だけでなく医療業界に衝撃を与えました。
これまで、医療事故による逮捕は、カルテの改ざんなどの不法行為によるものと考えられていました。
それがこの例は、医師不足に悩む地方でのやむをえない事態で、しかも予測が難しい状態における事故での医師逮捕でした。
このことから、今後、難易度の高い医療行為について受け入れ拒否が起きるのではと業界内で懸念されています。
一方で地方の病院では、医師不足により救急医療が破綻状態となっています。
とくに、東北地方の医師不足は深刻です。
医療法で定められた法定人員を満たせない医療機関が東北地方では半数以上なのです。
医師不足は、2004年の医師法改正により新しい臨床研修制度が導入されて深刻となりました。
以前は、医師免許を取得すると大学病院で研修していた医師が、この制度導入により大学病院以外で研修するようになったため、大学病院に人材がいなくなりました。
このことで、大学の医局からの派遣に頼っていた病院では医師を派遣してもらえず医師不足の状況になったのです。
さらに看護師不足も深刻で、看護師のリクルートで勝ち組と負け組ができた結果なのです。
医療はこんな崖っぷちの状況にあるのです。
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